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日本工業経済新聞社(埼玉)
2024/10/30

【埼玉】県空調衛生設備協会、安全大会を開催

 埼玉県空調衛生設備協会(長沼章会長)は25日、本年度の安全大会を、さいたま市内の埼玉県管工事会館で開いた。当日は正会員と賛助会員60人を超える参加者が集まった。参加者は、埼玉県の労働災害発生状況を確認し、安全への決意を新たにするとともに、建設現場の働き方改革の中で、心と身体の健康対策の重要性について理解を深めた。
 冒頭のあいさつで長沼会長は「衛生とは命を守るという意味があり、命を守るための安全であるこから、安全衛生とは1つの単語だと理解している。われわれ空調衛生設備協会は衛生の仕事をしているが、空調衛生という言葉も1つの単語になっている。命を守るための空調、欠かすことのできないものだということを認識してがんばっていきたい」と協会が担う業務の重要性を強調。大会が各社の安全に有意義なものとなるよう呼び掛けた。
 来賓として出席した県設備課の坂本博仁副課長は「建設業は、生産性の向上と働き方改革を重点的に取り組んでおり、皆さまも日々、こうした課題への対応に努力や苦労をされていると思う。しかしこれらの課題は、安全という土台があってはじめて進めることができる。今後も積極的に災害防止活動に取り組んでいただき災害ゼロを目指してほしい」と協会員の果たす役割と活動に期待した。
 続いて、埼玉労働局健康安全課主任地方安全専門官の松永浩司氏は、埼玉県における労働災害発生状況など労働安全行政について訓示した。松永専門官は、本年度の労働災害発生状況の特徴として、8月末時点の6人の死亡災害のうち3人が20代だと指摘し「若い人が建設業に入ってこなくなる懸念がある。転落して命を落とした被災者は、保護帽と墜落制止用器具を着用していなかったことから、若い人を対象に安全教育やリスクアセスメントの徹底を安全大会を機に行い、自らの行動を変え、結果を変えてほしい」と要請した。
 その後、労働安全衛生総合研究所特任研究員の高木元也氏が、建設現場の働き方改革として心と身体の健康対策で講話を行った。高木氏は働き方改革について「いつもの働き方を見直し、心と身体の健康を保つことだ」とし、その中でメンタルヘルス対策には、自分のことは自分で面倒を見るセルフケアが効果的だとし、具体的な方法について伝えた。
 大会の締めくくりとなる安全宣言を、協和設備の嶋健太さんが高らかに読み上げた後、参加者全員で「災害防止に対する認識を新たに災害予防思想の普及を図る。作業環境を整備し、安全活動を強力に推進する」と唱和した。

提供:埼玉建設新聞