能登町の「令和6年度能登半島地震復旧事業町立松波小学校新築基本設計業務委託」に関するプロポーザル審査委員会は27日、松波中グラウンドの同小仮設体育館でプレゼンテーション・ヒアリングによる2次審査を実施し、最適候補者にアトリエ・アンド・アイ+AE5partners+マツハ設備設計研究所共同企業体(JV)を選定した。
2次審査は公開で、1次審査を通過した5つのJVを対象に行われ、次点者にはコンマ+能登デザイン室+利光収建築設計JVが選ばれた。審査委の委員長は「シーラカンスアンドアソシエイツ」のパートナーで、法政大教授の赤松佳珠子氏が務めた。各参加者が提案書の内容を説明した後、赤松委員長を含む委員5人が「学校と松波地区のまちなみとの関わり」「児童の動線や学校周辺の安全面」などについて質問した。
最適候補者のアトリエ・アンド・アイJVは、穏やかな里山里海の風景に呼応する「おおらかな小学校」を提案した。点検・修理が容易で塩害にも強いことから、大屋根の木造平屋建て建築とし、校舎、体育館を敷地北側に配置、中学校校舎との間に多様な活動の場として利用できる外部空間「まつなみはらっぱ」を整備する。
各教室は周囲の豊かな自然や環境を内部に取り込めるように建物外周部に、図書室・メディアセンターは中央にそれぞれ配置。校舎にはシンプルな木造架構の屋根や、板縁と土間で構成する縁側「土縁」を連想させるオープンスペースも設ける。
地震で損壊した松波小は松波中グラウンドの約1万2000平方メートルで新築される。プロポーザルでは必要な床面積の上限を校舎2620平方メートル、体育館890平方メートルとしていた。基本設計の履行期間は来年3月25日まで。
概算工事費は14億1750万円。来年秋の着工、2027年4月の供用開始を目指す。