水資源機構千葉用水総合管理所は、印旛沼開発施設の排水機能などを検証し、計画基準降雨の見直しや排水機能の増強などの必要性を検討する。検証に当たっては「印旛沼開発施設排水機能等検討業務」の簡易公募型プロポーザル手続きを進めており、12月頃の契約締結を予定。委託期間は、契約締結日の翌日から465日。検討業務の内容は、計画・準備、資料の収集、印旛沼開発施設排水能力の検証、報告書作成。
具体的には、印旛沼流域における農業・工業・都市用水の確保および洪水など災害軽減のため印旛沼の水位管理を行っていることに伴い、近年激甚化する降雨実態を踏まえ、洪水排水を円滑に行うための排水能力を検証する。
業務では、排水能力の検証として、近年の降雨事例(平成25年台風第26号による降雨、令和元年東日本台風による降雨、令和5年台風第13号による降雨を想定)について、実績降雨データ、河川水位データ、浸水等被害の状況などを収集。
さらに、印旛沼開発工事誌当初の排水計画で採用されている計画基準降雨を参照の上、各事例における降雨が計画規模の範囲内であったかを検証し、必要に応じて計画基準降雨の見直しを行う。
また、各事例について、印旛沼の流入河川における背水状況の検証を実施するとともに、1時間ごとの地域の現状を再現できるよう▽主要浸水被害などの規模▽印旛沼5地点の水位▽地区内排水の状況▽流入河川の水位――を整理。
検証などの結果を踏まえ、印旛沼開発施設の排水機能が高ければ浸水被害などが発生しないかを確認。排水機能の増強により被害などが発生しないと結論付けられる場合には、その場合の排水能力を算出し、結果を取りまとめる。
さらに▽千葉県河川整備計画が完了した状況▽地区内排水を一定の条件で停止した状況▽予備排水を実施していた状況――を条件に追加して再度検証を行い、整理する。