2025年度の当初予算編成について県は23日、重点政策として災害対策や幹線道路ネットワークの形成、物価高対策、人口減少対策などを掲げ、積極的に予算計上する方針を確認した。
来年度当初予算編成会議で、平井伸治知事は「衆院選後、新しい方向性が必ず出てくる」とし、国施策を取り込んだ県独自の予算を編成するよう指示。また、賃上げなど経済を循環させる政策に「メリハリ」をつけて積極的に予算計上するよう促した。
会議では重点政策に▽物価高、手不足を乗り越える地域産業の成長力強化と賃金向上▽人口減少対策▽能登地震の教訓を生かした自然災害に強い地域づくり―など大きな柱を確認。
各部局長からはデジタル技術の活用や中山間地対策、人材育成などの政策戦略テーマについて構想が打ち出された。
県土整備部の吉野睦部長は「台風7号災害の早期復旧完了と国土強靭化予算を活用した予防保全事業に取り組む」と説明。また、米子―境間の高規格道路早期事業化や山陰近畿道・南北線の都市計画手続きに意欲を示し、自然災害に強い地域づくりでは建設産業の人材確保と、産官学が連携したインフラ機能の強化を挙げた。
今後の予算編成は、年内にかけて政策戦略テーマに議論を重ね、年末に具体的な事業の方向性を決定。年明け1月下旬に知事が一発査定する。平井知事は「市町村ともしっかりと意思疎通を」と注文を付け、予算編成を庁内だけの仕事に終わらせず、現場主義の徹底を要請した。
日刊建設工業新聞