秋田市上下水道局は、大雨時における同市広面地区の浸水被害軽減を検討するため、11月6日に計画策定等業務を開札する。対象は広面字蓮沼、手形、柳田などの太平川第二・七排水区(156.5ha)と、市立桜小学校周辺の太平川第三・六排水区(46.9ha)。想定最大規模降雨などに応じた浸水想定区域を想定し、対策施設の概略設計をまとめる。市議会9月定例会の一般質問では、秋田大学医学部附属病院周辺への整備を想定していると答弁しており、雨水貯留施設の整備を念頭に検討する。
昨年7月の記録的な大雨により、同市広面地区では太平川が溢れ、内水・外水の影響を同時に受けて大規模な浸水被害が発生した。これを踏まえ国、県、市町村は雄物川下流圏域の水災害対策プロジェクトを策定。同規模の大雨による浸水被害(床上浸水0.5m以上)を大幅に軽減させるため、太平川の河川改修や中通・南通・楢山地区の雨水幹線新設などを盛り込んでいる。
広面地区には、既設の太平川十〜一号幹線、同九号幹線、同十号幹線があるが、昨年7月の大雨では浸水被害が発生。市は同様の被害の軽減や最近の気候変動に対応するため、雨水幹線の排水能力を超える大雨が降った際、雨水を一時的に貯留できる地下部への雨水貯留施設(貯留槽)をメインに整備方針を検討する。7年度以降に実施設計や土質調査、必要に応じた用地取得などを進め、早期の浸水被害軽減に向けた施設整備に取り組む。
なお、今回、委託する計画策定業務では、桜台から流れてくる雨水で道路冠水が頻発している桜小学校周辺の対策案も検討する。
提供:
秋田建設工業新聞社