国土交通省に水道行政が移管されたことを受け、近畿地方整備局河川部は、災害時の連携や上下水道の地震対策に係る取り組みの推進に向けた「水道行政担当部長級会議」を10月22日に大阪市内で行った。近畿地整管内の2府5県、政令市、日本水道協会府県支部長都市の部長級が一堂に会して関係強化を図る取り組みは、全国でも初となる。会議では予算や職員、工事業者の不足が耐震化に向けた課題であることなどを共有した。
第1回となる会議の冒頭、あいさつに立った近畿地整河川部の常山修治部長は、これまで厚生労働省が所管していた水道行政が今年4月から国土交通省に移管され、新たに担当するようになったことを受け、「文化の違う人間が、文化の違うものを扱うという状況となっているところがある」と現状を概観し、水道行政担当者が集まり顔を合わせる意義を説明。南海トラフ地震などの自然災害について触れ、「地震対応などで、いつ逼迫(ひっぱく)した状況となるかもしれない。気を引き締めてやっていきたい」とあいさつした。
会議では、災害時における国土交通省による水道事業体などへの応援ルール、各団体の災害時応援協定、協定に基づく訓練の実施状況など、大規模災害時における支援情報などを共有した。また、上下水道地震対策検討委員会の取りまとめ概要の説明、強靱(きょうじん)で持続可能な上下水道システムの構築といった上下水道一体での災害対応に関する情報を提供した。
意見交換では、施設の耐震化が思うように進まないことについて「予算、人手(職員)、工事業者が不足している」といった課題点を共有した他、「顔の見える関係性を築くことで、災害時も通常時も円滑に業務が進むことが期待できる」とし、来年度以降の開催も視野に入っているようだ。
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