神奈川県企業庁は、水道営業所を6カ所に統合し、新たに2カ所の専門センターを設立することを明らかにした。老朽化している大和水道営業所に関しては、統合に合わせて建て替えを実施する。「県営水道出先組織再編計画」の素案によると、組織再編完了の目標は2030年度。営業所の統合により職員数を確保し組織力の強化を図る他、専門センターを設置することで業務の効率化を目指す。
現在10カ所ある水道営業所のうち、相模原・相模原南・津久井営業所、藤沢・茅ヶ崎営業所、海老名・大和営業所を統合。相模原・鎌倉・藤沢・平塚・厚木・大和営業所の6カ所に再編する予定だ。統合後は既存庁舎を引き続き利用するが、大和営業所のみ庁舎を新築する。
大和営業所の現庁舎は1971年に竣工。建物の規模は、鉄筋コンクリート造平屋630平方b。築50年以上が経過して老朽化しており、海老名営業所との統合によって職員数の増加が見込まれることから、統合後の規模に見合った庁舎を現地で新たに整備する。
2025〜26年度に建て替えに向けた基本・詳細設計や地質調査を委託し、27〜29年度に仮庁舎と新庁舎を建設。30年度の統合を目指す。現在は25年度予算に向けた調整を行っており、設計や地質調査の委託時期の詳細は決まっていない。
〜専門センターを新設〜
組織再編に当たっては、各水道営業所に共通する専門業務を集約化した専門センターを新設し、業務の効率化を図る。管路整備センターの業務を拡充し、「水道施設整備センター」を設立。浄水場の再整備やポンプ所の構築など大規模施設のリニューアルの立案や設計から施工までを担当する出先機関として独立させる。
また、「給水装置工事審査センター」を設置し、給水装置工事の申請などを一本化する。
水道施設整備センターは、現在の管路整備センターが入所している藤沢営業所を継続活用し、大規模施設の整備状況に合わせて段階的に業務体制を拡充していく。給水装置工事審査センターは、新しい電子申請システムの完成を待って28年度から一部で運用を開始し、30年度から本格運用を実施する予定。統合で廃止した水道営業所の庁舎を活用する考えだ。
提供:建通新聞社