第3回徳島小松島港港湾脱炭素化推進協議会が10月中に開催され、推進計画が策定・公表される見通しとなった。国の2050年カーボンニュートラル(CN)の一環で、県内に計画している徳島小松島港と橘港のカーボンニュートラルポート(CNP)の一つ。脱炭素化を進める施設は、区域内にある管理棟、倉庫、事務所や照明施設、港湾施設、工場、護岸、荷役機械、停泊船舶、車両などを予定している。
計画案によると、脱炭素化は25年度までの短期目標、30年度までの中期目標、50年までの長期目標に沿って進める。特に水素やアンモニアの供給施設に対し、耐震対策や護岸の嵩上げ、老朽化対策工事を行い、港湾BCPにも明記する予定。
25年度までの短期目標では、グリーン電力導入、太陽光発電、照明のLED化、低炭素型荷役機械導入、港湾荷役機械の電動化の他、製造機械のLNG燃料化、工場の蒸気を利用した機器の導入、フォークリフトの省エネ化を考えている。
その後、30年度までの中期目標では沖洲ターミナルでの太陽光発電事業導入とEVステーション整備を、また中期目標と50年までの長期目標をあわせての期間でも、多くの施策を展開する。
50年までの主な取り組みとして、脱炭素型荷役機械の導入拡大、低炭素型リーチスタッカー導入、グリーン電力購入、自立型電源(省エネ・水素)導入、港湾ターミナルのデジタル化(サイバーポート、CONPAS)、使用燃料転換、FCトラック・水素エンジントラック・EVトラックの導入などを挙げている。
また太陽光発電、製造機械の次世代エネルギー転換、再生可能エネルギー導入、フォークリフトのFC化・電動化、再エネクレジットなどの利用検討、再エネ電源開発の導入、港湾工事の低・脱炭素化も予定。
地区内の一部には、水素を船舶、荷役機械、大型トラックなどに供給するため、脱炭素化推進地区を定めるよう検討する。今後、水素関連産業を誘致して集積を図る他、SDGsやESG投資に関心の高い企業、金融機関による産業立地と投資の呼び込みを目指す。
現在、徳島小松島港の赤石・東沖洲・南海などのターミナルを所有・管理するのは徳島県、オーシャントランス、南海フェリー、港湾運営会社、船社他。ターミナル外ではリンテック、エヌ・アンド・イー、四国ガス、日新などがいる。将来的に全ターミナルでLNGへの燃料転換、グリーン電力や再生可能エネルギー導入を計画している。
提供:
建通新聞社