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日刊建設タイムズ社
2024/10/23

【千葉】自動車交通移行を提案/検討結果報告書案まとまる/久留里線久留里・上総亀山間沿線地域交通検討会議

 県総合企画部は21日、第5回JR久留里線(久留里・上総亀山間)沿線地域交通検討会議を君津市保健福祉センター2階コミュニティホールで開催し、「検討結果報告書案〜沿線地域の利便性の高い公共交通への提言〜」を取りまとめた。今後は、地域公共交通活性化協議会(法定協議会)と地域公共交通会議の役割を兼ねる会議体において、エリアごとに最適な運行ルート、交通手段の組み合わせ、コスト負担などを検討し、「地域のより良い公共交通のあり方」を決定する運び。錦織良匡・交通担当部長は冒頭、「自動車交通への移行が利便性の高い交通となる可能性がある」との見方を示す一方で「鉄道廃線を結論付けるものではない」とし、現状以上の持続的な交通体系が実現されるよう、引き続きの検討を求めた。
 正能俊輔・東日本旅客鉄道(JR東日本)千葉支社企画総務部企画部長は「代替交通を検討する場合においても、沿線の自治体や交通事業者などとの協働により、持続的な運行および利便性の確保に向けた協議を進めていきたい」との考えを示した。
 鈴木広夫・君津市企画政策部長は「自動車交通がより利便性の高い交通となり得るとの内容を重く受け止めている」と述べた。また、JR東日本千葉支社に対し、「自動車交通の持続性について総合的に検討した上で、引き続き、地域交通や地域活性化に関わり続けてほしい」と要望した。
 
線路など跡地の活用/代替交通なら検討を
 
 各地区の自治会など住民代表は、地域住民の声として「『鉄道を残してほしい』という要望が多かった」と話し、代替交通となる場合の対応として「線路などの跡地活用の検討を含め、JR東日本千葉支社が公共交通を担ってきた責任を果たしてほしい」と強調した。
 検討結果報告書案では、JR東日本千葉支社が「地域のより良い公共交通のあり方」を決定する際に▽地域の利便性向上▽持続可能な交通体系の構築▽観光資源を活用した地域振興への寄与――などに留意するよう求めていくとした。
 委員は、座長の藤井敬宏・日本大学理工学部交通システム工学科特任教授、錦織部長、鈴木部長、正能部長のほか、住民代表として松ア正行・久留里地区自治会連絡協議会会長、齋藤健吉・松丘地区自治会長会会長、加藤洋和・亀山地区自治会連絡協議会会長。また、関東運輸局の市野将英・交通政策部交通企画課長と三橋裕・鉄道部地方鉄道再構築推進調整官、鈴木昭宣・木更津市企画部地域政策室長、平野剛志・袖ケ浦市企画政策部企画政策課長がオブザーバーとして参加している。
 久留里・上総亀山間には、久留里駅、平山駅、上総松丘駅、上総亀山駅がある。
 利用者数は、モータリゼーションの進展などにより、JR発足から約9割減少(久留里線全線では約7割減少)。2021年度における1日当たりの平均通過人員は55人。地域住民へのアンケート結果などから、平日最大15人程度、休日最大20人程度のまとまった移動需要と、散発的な移動需要があるものの、鉄道の特性である大量輸送のメリットが発揮できていない。さらに、君津市においては生産年齢人口の減少が見込まれ、通勤・通学での利用のさらなる減少が予想される。times