横浜市は、PPP/PFI事業に関して物価変動の影響への対応方針を検討している。内閣府が6月に改正したガイドラインの趣旨を踏まえ、内容を詰めている段階。災害時の役割分担や情報連絡体制についても盛り込む考え。10月21日の市会決算特別委員会で伊地知英弘副市長が「12月には市の方針を事業者に伝えられるよう準備している」と明らかにした。
PFIは導入可能性調査の段階から事業期間の開始・終了に至るまで長期にわたる契約が多く、物価や金利が変動すれば事業者の費用負担が増えたり利益が減少したりするリスクがある。
物価変動の状況を的確に反映し、事業者が適正な利益を得られるよう、政府は6月に各種ガイドラインを改定。各自治体のPFI担当に周知した。
具体的には、新規契約の予定価格を定める際、賃金上昇や資機材価格の高騰などを含めた最新の実勢価格を適切に反映させることが必要だとプロセスガイドラインの中で明記した。
また、契約ガイドラインを改定して、市場価格を的確に反映する物価指数を採用することや、サービス対価改定の基準時点を契約締結日よりも前倒しにして、入札公告日などにするといった考え方を示した。
PFI事業では予定価格が導入可能性調査時点など検討の早い段階で算出されるとともに、サービス対価改定の基準時点が契約締結日に設定されることが比較的多いと言われることが背景にある。両時点間をできるだけ近づければ、物価変動をより的確に反映することが可能になる。
契約締結後には、事業者から変更協議の申し出があった場合は適切に対応することなどを記載。災害への対応についても、管理者と事業者の役割分担や情報連絡体制について、募集の際にあらかじめ明示しておくことが望ましいとしている。
これらの改定内容を考慮し、市でも対応策を検討する。
提供:建通新聞社