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建設経済新聞社
2024/10/22

【京都】祇園新橋地区の旧大澤家住宅 サンローランが茶室備えた店舗に保存活用

 京都市が所有する東山区の祇園新橋歴史的建造物(旧大澤家住宅)について、物販及び飲食店として保存活用する計画が進められている。
 旧大澤家住宅を巡っては、平成25年度に京都市が寄付を受納。平成27年度に耐震改修及び屋根修理工事が施され、平成27年4月から令和4年3月まで前の利活用事業者が喫茶を併設したセレクトリサイクルショップとして利活用していた。
 その後、公益財団法人京都市景観・まちづくりセンターは、令和4年10月に京都市とのマスターリース契約を締結。サブリース事業を立ち上げ、同年11月から利活用事業者の公募を開始し、潟Pリングジャパン イヴ・サンローラン ディビジョンと定期建物賃貸借契約を締結した。
 転借人のサンローラン(運営…ケリングジャパン)は、吹抜としていた床を復元するとともに、改変箇所の修復等を行い、京都の伝統文化に関する展示機能を持つ新規の店舗(物販及び飲食)として保存活用する計画。
 対象の旧大澤家住宅(京都市東山区末吉町77−6、103−2。敷地面積181・02u)は、改修後、W造2階建、延252・07u(建築面積147・42u)となる。2階には予約制の茶室を設ける。
 部材の健全化を進めるとともに、@過去の毀損部の修復・復元A伝統的建造物としての外観を維持B伝統的建造物の特徴を生かした空間構成のコンセプトに基づき、施設の用途に合わせた改修を行い、京都におけるサンローランの旗艦店モデルとして活用する。
 吹抜の設置、長押等部材の撤去、毀損部材の一部の修復を行う。内装は漆喰壁、土壁、竿縁天井(不燃材料)等を採用するなど防火性能を高めるとともに、祇園新町地区における伝統的建造物として内外観ともに違和感のない造作とする。
 今後の予定スケジュールは、建築基準法に基づく手続きを経て、11月から工事着手、令和7年6月の完成を目指す。