建設新聞社
2024/10/22
【東北・宮城】建設技術研究所を特定/大郷町中粕川地区の造成設計プロポ
大郷町は「令和6年度中粕川地区造成設計等業務」の委託先を公募型プロポーザル方式で選定した結果、建設技術研究所を特定した。民間企業が計画するおおさとスマートスポーツパーク構想(SSP構想)の実現に向け、約20fの造成工事に必要な調査設計、開発許可申請、関係機関協議を行う。
SSP構想は、令和元年東日本台風による吉田川の氾濫で被災した中粕川地区の西側に広がる農地を活用し、サッカークラブの運営支援などを手掛ける民間企業のスポーツX(京都市 小山淳代表)が中心となって、スマート農業とスポーツを組み合わせた事業展開により地域振興を図るもの。町は用地取得と造成までを担い、用地は町が取得した後、同社に貸し付ける。
粕川道南地区約55fのうち、吉田川に近い約19fをスポーツX社によるSSP計画エリアとし、町が整備する公園エリア約2・5fとともに短期計画に位置付けて先行整備する。外周部は農業団地エリアに位置付け、長期計画での整備を見据える。
SSP計画エリアの約19fは、2工区に分割して整備する方針。第1工区が西側となる。両工区にサッカーコート6面と、寄宿舎(宿泊棟)1棟を建設する。
スポーツX社による施設整備事業費は、第1工区約7億円、第2工区約6億円で計約13億円余りと試算する。
現状は農地。SSP計画エリアの地権者は27人・129筆となっている。盛土メーンの造成を実施する計画で、盛土材は国が事業を進めている吉田川河道掘削で発生した残土を利活用し、造成工事費のコスト縮減を図る。
今回の委託業務の内容は、造成基本・実施設計、開発許可申請図書作成と申請に係る関係機関協議、地質調査として地質解析3地点、事業マネジメントなど一式。
対象となる約20fの内訳は、SSP計画エリア約19fと、町が整備する公園エリアの一部が約1f。履行期間は2025年3月31日。
なお今回の業務で、町が負担する事業費を算出して議会に示す方針で、町負担による用地取得費の予算成立を目指す。また町は中学生以上の町民に、SSP構想の実現へ意向を問うアンケートを送っており、10月末を締切に設定している。
提供:建設新聞社