横浜市住宅供給公社は、脱炭素化に向けた先導的モデル事業として、一般向け賃貸住宅を青葉区内に新築する。「(仮称)市ケ尾マンションプロジェクト」と称し、CLT材などを利用した建物とする方針。既存建物の解体と新築に伴う設計・施工を一括して発注するため、企業提案公募(企業開発提案方式)の手続きを10月22日に開始する。11月5日まで参加表明届を、2025年3月まで提案書を受け付けて、25年5月上旬に選定結果を通知する予定だ。28年2月末の完成を目指して設計・施工を順次進める。
建設地は青葉区市ケ尾町1156ノ3。東急田園都市線の市が尾駅から徒歩約3分の距離に位置する。用途地域は近隣商業地域(建ぺい率80%、容積率300%)。
敷地内にある既存建物(鉄筋コンクリート造4階建て延べ約1418平方b)を取得・解体撤去した上で、新たに共同住宅を整備する計画。
横浜市が注力している脱炭素化の実現に寄与する、省エネ性能の高い木造賃貸住宅を供給したい考え。子育て支援の普及・啓発にもつながる独自提案と見積金額などを評価して、設計・施工の発注先となる実施事業者を選ぶ。市内企業が脱炭素・省エネルギーといった社会的課題分野へ参入する機会を提供するといった波及効果も狙う。
技術提案では、住宅部分の床面積を2000平方b未満とすることが条件。専有面積は1戸当たり40平方b以上で、合計1200平方b以上とする。共用部には▽多目的スペース(ミニキッチン、共用トイレ、倉庫、授乳スペースなど)▽管理員室▽ごみ置き場▽3人乗り自転車置き場(住戸数以上)▽駐車場スペース2台(カーシェア用、管理用)▽防災倉庫―といった機能を配置する。
設計業務と工事を合わせた見積金額の上限は12億円。
提案に当たっては、単体またはJVでの参加を受け付ける。単体とJV代表者は「建築一式工事」の特定建設業許可を受け、市の有資格者名簿に建築A(格付点数1200点以上)で登録がある市内事業者。設計者と工事監理者は1級建築士事務所登録を受けていることを必須とする。JV構成員には有資格者名簿への登録有無を問わない。
事業スケジュールを見ると、25年4月に既存建物の引き渡しを受ける予定。25年5月上旬に実施事業者を決め、同月下旬から10月末に基本・解体設計をまとめる。
その後、実施設計を26年7月末までに完了するのと並行して、25年11月から26年4月末に解体工事を進める。26年8月以降に新築工事に着手して、18カ月間の工期で28年2月末の完成・引き渡しを目指す。
提供:建通新聞社