滋賀県は、施設の老朽化や収蔵スペース不足など課題を抱えている「県立陶芸の森」のあり方について、12月に関係者による懇話会を開き、来年2月に議会へ協議内容及びまとめ案を報告、3月に方向性を示す考えを明らかにした。
その後については、来年度から必要手続き及び書類の取りまとめを実施し、26年度に指定管理者選定へと進める方針だ。
県によると、新たな活動とこれまでの活動をより強化・充実させていくために、現段階では▽展示室・収蔵庫等の環境整備▽収蔵スペース拡張▽公園内施設のバリアフリー化▽美術館のような空間づくり―といった環境整備が実施される可能性があるとのこと。窯業技術試験場が隣接地に移転したことで設立時から大きく状況が変わっていることを踏まえ、施設をどう活用していくか全体的に議論を進める。
なお、駐車場の有料化については気軽に訪れることのできる公園という観点から慎重な検討を引き続き行っていく見通しだ。
同施設は、地域産業である信楽焼を世界へ発信することに加え、県民の陶芸に対する理解と親しみを深め広く陶芸に関する交流の場とすることにより、県の陶器産業の振興と文化の向上を図ることを目的に、展示や陶芸体験など多様な機能を持つ公園として総事業費62億5930万円をかけて平成2年に竣工。約40万平方bの敷地内に、2つの展示室のある「陶芸館」(延2334平方b、RC造2階建)・ホールやレストランのある「信楽産業展示館」(延2576平方b、RC造2階建)や、野外展示場や多目的広場などを備えている。年間を通して、国内外のアーティストの作品を紹介する展示や体験講座など様々な催し物を開催し、陶芸に関する交流の場であると同時に地域の観光拠点として人気のスポットとなっている。都度修繕を進めているが全体的に整備が必要となってきていることから今回施設そのものの見直しを実施することとした。
提供:滋賀産業新聞