トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

日刊岩手建設工業新聞社
2024/10/17

【岩手】岩手県生コンクリート工業組合 24年度上半期の出荷数量 約28万立方bで3・2%減

 県生コンクリート工業組合(金子秀一理事長)は、24年度上半期の工組員企業の生コンクリート出荷実績をまとめた。出荷数量は27万7829立方bで前年度同期比3・2%の減。上半期は前年度並みの出荷状況であるが、地区ごとに需要の偏在が著しくなっている。年度を通しての出荷数量見通しは57万2000立方bで、前年度を1割ほど上回る見通し。6年ぶりに前年度を上回る見通しであるが、震災前の10年度を2割以上も下回っており、業界全体としては、依然として厳しい状況が続いている。

 出荷数量を地区別で見ると、県央が7万9387立方bで15・0%減、県南が11万5596立方bで0・5%減、沿岸が5万2782立方bで34・6%増、気仙が6197立方bで30・3%減、久慈が1万5936立方bで19・5%減、県北が7931立方bで16・6%減。

 県央では、盛岡市のマンションなど民間需要、八幡平市の産業廃棄物最終処分場や大更駅前の再開発などに一定の需要があるが、エリア南部は小康状態。8月下旬の線状降水帯に起因する大雨被害の災害復旧については、生コン重要はそれほど大きくないものと見込まれている。

 県南はキオクシアの第2製造棟が終了したが、依然として民需が牽引。北上市、奥州市、金ケ崎町の工場や物流拠点などに向けた出荷が当面は継続すると見込まれる。公共関連では、国道107号大石トンネルや奥州市の学校向けの出荷が見込まれる。

 沿岸では県が整備を進める閉伊川水門向けのウエートが大きく、電力、砂防施設、遠野市の立地企業向け出荷もあることから、前年度を大幅に上回っている。

 24年度上期は需要の偏在が著しく、県央、県南、沿岸の3地区の出荷数量が県全体の89%を占める。気仙、久慈、県北では大きな需要がなく苦戦を強いられている。
 24年度を通しての出荷数量見通しは、57万2000立方bで9・7%増。地域別では沿岸が大幅に前年度を上回り、県央、県南、県北でも前年度比増となる見通し。気仙と久慈は前年をわずかに下回る出荷数量を見込んでいる。

 県全体の出荷数量は前年度を1割近く上回り、6年ぶりに前年度比増に転じる見通し。出荷数量の底打ちが期待されるものの、22・23年度は連続して過去最少を更新しており、24年度が予想通りの出荷数量となっても震災前10年度の実績77万3099立方bを約20万立方b下回り、増減率では26・0%減となる低水準。加えて需要の偏在化も著しいなど、業界全体としては厳しい状況が続く見通し。

 工組では、需要対策として「共通仕様書における●マーク生コンの選定」「耐久性に優れ多様な条件にマッチするコンクリート舗装の採用」「コンクリート構造物の施工に当たって、可能な限り地産地消の生コンクリートを使用すること」の3点を、国や県などの発注機関、設計者・施工者の業界団体に対して要望。今後も要望活動や団体間の連携強化を図りながら、需要創出に努めていく考えを示している。
 ※●は○の中に適。

提供:日刊岩手建設工業新聞