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北陸工業新聞社
2024/10/17

【富山】GMP人材育成などの動向紹介/清水建設が医薬セミナー

 清水建設北陸支店(角野淳一郎執行役員北陸支店長)と同社エンジニアリング事業本部は16日、富山市のANAクラウンプラザホテル富山で、「医薬セミナー2024」を開催した。
 セミナーは薬の富山の歴史を踏まえ、全国の支店で唯一開いているもの。リアル形式での開催は19年以来5年ぶり。
 今回は医薬品品質保証に必要なGMP人材育成、バイオプロセスの国際的なガイドライン「ASME BPE」への対応、CSV(コンピュータ化システムバリデーション)・DI(データインテグリティ)の最新動向を紹介。富山・石川県などの医薬品製造、医薬品関連企業ら約40社、120人が参加した。
 冒頭、角野支店長があいさつし、「弊社主催の医薬セミナーは今年で14回目。20年からの4年間は、新型コロナ感染防止の観点からWeb形式だったが、今年から久しぶりに対面で行う。本年も各分野でご活躍の先生方に、話題のテーマで講演していただく」と述べた上で、「富山県の医薬品産業は300年以上の歴史と伝統を有し、富山県発展の礎を築いた地場産業。これまでに培われた高い製造・品質管理技術を背景に、富山県は国内トップクラスの医薬品生産拠点となっている。医薬品産業のさらなる発展のため、世界に羽ばたく「薬都とやま」の実現に向け日々尽力されている皆様に、弊社は設備投資の良きパートナーとなれるよう研究、研さん、ノウハウの蓄積に努めてきた。皆様になくてはならないシミズとなれるよう、さらなる努力を重ねる。本日のセミナーが有意義なものとなるよう祈念したい」と話した。
 セミナーではまず、富山大学薬学部医薬品品質保証・評価学講座客員教授の鳴瀬諒子氏が「医薬品品質保証に必要な人材育成−QP教育制度や品質文化醸成の視点から−」、BPEsインターナショナル代表の井上幹夫氏が「日本製薬業界のASME BPE規格への対応」と題し講演。
 清水建設エンジニアリング事業本部プラント事業部医薬品プラントグループの矢野慎之助氏は、同社が設計・施工を手掛けた「キョーリン製薬グループ工場(株)高岡工場新築工事」の概要などを紹介した。最後にシー・キャスト代表の荻原健一氏による講演「Part11、CSV、そしてデータインテグリティへ−自動化設備及びシステムへの規制適合の変遷とその対応−」も行われた。
 清水建設富山営業所の佐藤俊行副所長は「セミナー開催に当たっては、関係者とヒアリングし、富山・石川両県の医薬品関連企業のニーズに合った講演テーマを考えている。今後も継続して実施することで、医薬品関連企業の発展の一助になれば幸い」と話している。なお、同社北陸支店における98(平成10)年以降の医薬品関連施設の累計受注高は、500億円超に上る。

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