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建通新聞社四国
2024/10/15

【愛媛】新紫電改展示館の最終計画を決定 

 国内で唯一現存する旧日本海軍の紫電改を展示している「紫電改展示館」のリニューアルに向け、施設の整備や展示の計画を検討する委員会の第6回会合が松山市であり、新しい展示館の最終的な計画案を議論した。前回会合で委員から指摘のあった外構計画の修正などを加え決定した。これを受けて事業者の愛媛県は今後、2024年度内に現地の造成工事と実機の調査および移設用架台の設計を行い、25年度から2カ年で展示館を建設する。また実機移設を26年度に行い、同年度中の完成を目指す計画だ。
 外構計画については、前回会合で委員からユニバーサルデザインに配慮した計画と評価しつつも、西側に設ける新たな駐車場と建屋との高低差が4bあり、高齢者や車いすの利用者に配慮し、駐車場を高低差の少ない建屋北側に設けてはどうかといった指摘を受けて修正。北側広場付近に乗降スペースを設けることで階段やスロープを移動しなくても建物へアクセスできる動線計画を追加することで決着した。
 建物の規模は鉄筋コンクリート一部木造2階建て延べ651平方b。三角形の建屋と木材を活用した無柱の屋根、建屋内から紫電改実機と実機を引き上げた久良湾を同時に臨むことができるガラス面などが特長。また2階に入口を設け、1階に実機を展示し、実機への動線となる壁面には平和へのメッセージなどを展示するとともに、1階には紫電改に関する展示室やプロジェクトスクリーンなどを投影できる多目的室も配置する。
 また最終的な外構計画について、建屋周囲に三つのエリア(東側、西側、北側)を設定。東側のエリアを実機と久良湾を同時にながめるよう、植栽などの管理を行い、新しい展示館の魅力を最大限引き出す空間とする。西側のエリアは来館者を迎える空間とし、駐車場から建屋の入口までのアプローチには久良湾や陽光桜を眺めるスペースを設ける。北側の広場には小学生などの課外活動や昼食の場などにする計画。
 事業は愛南町にある南レク第3号公園(馬瀬地区)の再編整備の一環で展示館を建て替える。外構工事を除く建物の建設費は約5・4億円。設計は遠藤克彦建築研究所(東京都中央区)が担当。
 完成後は既設を解体し、駐車場やアプローチなどに整備する。

提供:建通新聞社