能代市総合政策課は、能代ロケット実験場と連携した水素ラボ構想の実現に向け、水素ガスの活用を検討する企業等のニーズ調査を進めている。官公庁や水素関連企業にヒアリングを行っているほか、水素ガスがあるJAXA(宇宙航空研究開発機構)能代ロケット実験場の視察を実施している。調査をもとに構想実現の可能性を検討し、設備整備などの概算費用を算出。年明けをめどに構想計画の具体化を目指す。
水素ラボ構想は、能代ロケット実験場内にある液体水素貯蔵タンクから発生するボイルオフガスを回収・再利用し、水素関連ベンチャー企業などに提供することで関係人口の創出に繋げるもの。ボイルオフガスを高圧化し燃料として再利用できるよう、高圧水素設備(再加圧・貯蔵・充填設備)を市が整備する。整備後は、水素関連事業にベンチャーや中小企業も参画できるよう、開発・実証を行うラボを建設する構想で、ラボの実現には民間資金の活用も想定している。
構想の実現に向け、今年6月には市、JAXA、秋田大学、早稲田大学の4者が連携・協力するべくプロジェクトチームを発足。JAXAは能代ロケット実験場を水素研究の場として民間に開放しており、7月に開催された「第3回水素社会構築に向けた液体水素利用シンポジウム」では実験場の見学も実施、約150名が参加している。
また、大規模な水素試験に対応した実験環境を整備するため、JAXAでは能代ロケット実験場(仮称)南エリアNEDO共同試験場)の工事を今年度から発注。計測室等の新築、機械設備、電気設備工事の公募を開始している。
提供:
秋田建設工業新聞社