松戸市は11日、「新庁舎整備基本計画(第1ステップ)策定業務委託」の制限付き一般競争入札を公告した。市役所機能再編整備基本構想と市役所機能段階的整備案に基づき、新庁舎の規模、機能、建設計画に関する考えなどを調査・検討し、段階的整備案第1ステップの基本計画を作成する。事業手法については、ゼネコンなどを対象に行うサウンディング型市場調査の結果などを踏まえ、従来手法、デザインビルド(設計・施工一括)手法、PPP/PFI手法などを比較し、最短の工期となるものを選択する。予定価格は6600万円(税抜き)。委託期間は2026年7月31日まで。
25日まで入札参加資格審査申請書など、11月7日から12日まで入札書の提出を受け付け、13日に開札する。
業務内容は▽庁内各課の必要面積と分類した機能を明記したリストの作成▽新庁舎に配置すべき機能と現庁舎に配置すべき機能の検討▽新庁舎・現庁舎に配置すべき機能の中間検討案の作成▽概算事業費の算定▽複数のゼネコンなどを対象としたサウンディング型市場調査の実施▽災害拠点機能の検討▽敷地と敷地周辺の基礎情報の整理▽建物配置計画図の作成▽平時・有事における敷地活用の検討▽事業スケジュールの作成▽必要な許認可手続きの確認▽PPP/PFI手法簡易定量評価調書の作成▽事業手法の調査▽基本計画に係るパブリックコメントの支援▽説明会などの運営支援――など。
サウンディング型市場調査では、事業手法のほか、工期短縮の工夫を含む事業スケジュール、コストダウンの工夫を含む概算事業費などについて聴き取りを行う。
新庁舎について、市は段階的な整備を提案。第1ステップとして、32年度をめどに新拠点ゾーン南側の国有地8745uに延べ床面積約2万uの新庁舎を建設し、現本館と現新館の機能を移転する。各階の床面積は約2000uを想定。一定の耐震性が確保されている議会棟と別館は使用を継続する。
第2ステップの本館と新館以外の庁舎と他の公共施設の整備については、今回の業務で基本計画策定に向けた課題を抽出し、整理する。
新庁舎整備に当たっては、目指す方向性として、市民サービスの向上、市民の安全・安心を支える空間、将来の変化に対する柔軟な対応、環境への配慮を挙げている。
市民サービスの向上では、サービスの分散化・狭あい化、バリアフリーへの対応などの課題を解決し、窓口・案内・相談機能を充実させ、市民の利便性向上を図る。また、敷地の空き地を松戸駅周辺のイベント会場やパブリックビューイングとして活用するなど、敷地の汎用性や利用効率を一層高め、市民が気軽に集える工夫を凝らした空間とする。
市民の安全・安心を支えるため、大規模地震に対する耐震性能を備えた施設とする。庁舎へのアクセスの確保や非常時にも活用可能なインフラ設備を備えることで、災害対策本部機能を十分に発揮する。
将来の変化に対しては、市民の利便性に寄与する関連機能の集約、部署間の配置、平時と有事におけるレイアウトの可変性を確保し、柔軟に対応する。
環境負荷の少ない施設として設計し、省エネルギーと二酸化炭素排出量の抑制に取り組む。
デザインビルド方式の場合は、26年度に基本設計、埋蔵文化財の本調査、旧法務総合庁舎の第2期解体工事に着手。28年度に事業者を選定し、実施設計に取り掛かる予定だ。
9月30日には、財務省と相模台地区土地区画整理事業区域内の国有地8745uの取得に係る土地売買契約を締結した。契約金額は33億5000万円。