菊陽町周辺の半導体企業に給水する新規工業用水道事業を計画している熊本県は、浄水場や管路等の基本設計にこのほど着手した。2025年度から詳細設計に入り、27年度中の給水開始に向けて工事を進めていく方針だ。総事業は約150億円を見込んでいる。
県議会9月定例会の経済環境常任委員会で企業局が進捗状況を報告した。同事業は、TSMCの進出に伴い半導体関連企業の立地が加速していることから、竜門ダムの未利用水を活用して地下水保全と収益確保に繋げるもの。事業費約150億円の4割にあたる約60億円は国の交付金で措置される。
計画によると、ダムからの既設の農業用パイプラインを利用し、菊池市旭志麓の東部幹線3号ファームポンドから分岐・取水、菊池グリーンロード、国道325号、町道等に管路を埋設し、受水企業まで管路を整備する。
浄水場は敷地面積約3f、配水池は容量約9万立方b、管路は延長約15`・管径450_程度を想定している。給水量は日量最大1万2000立方b程度で、当面は日量6000立方bの送水から始め、段階的に最大量まで引き上げる予定としている。水利権者の国土交通省と協議中で、変更許可を受けて正式に確定する。
3月に農業用パイプラインの使用について土地改良区と合意、8月には浄水場他基本設計をウエスコ、管路・水管橋基本設計を日本水工コンサルタント、現地測量をワールドコンサルタント、管路地形測量をワコー、地質調査を八洲開発、用地測量をコンサルハマダ、建物等調査を九州不動産鑑定所と西日本建設コンサルタンツに委託した。
並行して浄水場候補地の選定作業を進めており、用地を決定のうえ、24年度内に地権者と契約、25年度中頃までに県への土地の引き渡しを目指している。浄水場と管路整備については、基本設計をふまえて25年度に詳細設計を行い、その後27年度中の給水開始に向け工事を進める。
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