阪神高速道路会社は10月9日に記者会見を開き、技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)による大阪湾岸道路西伸部(新港・灘浜航路工区)の鋼斜張橋工事について、事業者選定の進捗状況を説明。吉田光市社長は、「まだ事業者の決定には至っていないが、協議・検討を進めており、近々にも契約先を報告する」と話した。
同社は、2023年8月に海上部長大橋(鋼斜張橋)の主塔・橋桁の寸法や形状、色彩、デザインなどの基本構造を決定。その後、約1年をかけて桁と桁のつなぎ材やケーブルの接合部など細部構造を検討し、今年9月に概略設計を完了した。
事業者の決定後、製作・輸送・架設計画の検討、全橋構造解析などの詳細設計を実施する。新設工事の着手には、契約から2年程度の時間を要する見通しだ。
■喜連瓜破は12月上〜中旬に通行再開
この他、会見では、終日通行止めによる橋梁架け替え工事を行っている14号松原線喜連瓜破付近の通行再開時期を12月上〜中旬に決定したことを発表した。当初は25年3月の完成を予定していたが、ワイヤーソー工法を採用した解体工事などの騒音対策により、一部夜間にも工事を行うことができたことなどから、予定を3カ月以上前倒しすることが可能となった。
吉田社長は、工期の短縮について「沿道の皆さまの協力が大きかった」と感謝の言葉を述べた。また、20年3月に開通した6号大和川線が迂回(うかい)路として機能したことに触れ、「新しいネットワークを活用しながら、老朽化した道路に手を入れることで、高速道路全体をサステナブルなものとして次の時代につなげる先駆けとなる事業だ」と話した。
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