富山県、庄川左岸地区用排水対策促進協議会による国営附帯県営農地防災事業庄川左岸地区の完工式が9日、砺波市のTONAMI翔凜館で開かれ、砺波平野の排水機能強化や防災力向上につながる事業の完工を盛大に祝った。
式には県や国、砺波・高岡・小矢部・南砺の4市、土地改良区の関係者ら約200人が出席。冒頭、新田八朗知事が「散居村が美しい砺波平野は、農業生産基盤の整備が早くから行われ、県内水田農業をリードしてきた。都市化の進展や集中豪雨による溢水被害が頻繁に発生するようになり、国営、附帯県営事業に着手し、溢水被害の抜本的な解消に取り組んできた。昨年7月の豪雨では農地や周辺住宅地の湛水、農業用水利施設等の被害を未然に防止するなど大きな防災効果をすでに発揮している」と式辞。磯孝行県砺波農林振興センター所長による工事経過報告の後、来賓から北陸農政局の遠藤知庸局長、山本徹県議会議長が「事業で整備された施設が持てる機能を発揮し、地域の特色を生かした豊かな農業、農村づくりに役立つことを期待している」などと祝辞した。
引き続き、協議会の会長である夏野修砺波市長、庄西用水土地改良区の紫藤健一理事長が謝辞を述べた。
2010年度から23年度までに用排水路39・2キロ、洪水調整池7カ所、水管理施設が整備された。受益面積6212ヘクタール。総事業費は244億円。09年度から18年度まで国営事業が進められた。