北陸地方整備局や石川・富山県でつくる国道415号石川・富山県境部(羽咋市神子原町〜富山県氷見市谷屋)の機能強化に向けたルートについて話し合う有識者委員会(委員長・川村國夫金沢工業大学教授)の第2回会合が9日、金沢市の県地場産業振興センターで開かれ、候補に挙がっていたルート3案を比較した結果、起終点間を最短で結び周辺集落との接続を確保するルート帯である「Bルート帯」(4・8キロ)で合意した。概算費用は350〜430億円で、路線中には2キロ弱のトンネルが想定される。
現行区間は急勾配や急カーブ区間に加え、地すべり地帯を通過することから、整備局や両県が2020年度から概略ルートの検討を進めていたほか、今年度に入って候補を3ルート絞った上で周辺住民らを対象にアンケートを実施していた。
この日の会合ではBルートのほか、Aルート(5・4キロ)「現道を最大限活用して費用を抑えた案」、Cルート(5・0キロ)「大きく迂回することで地すべり地帯の影響を最小化する案」を比較し、Bルート帯に一本化した。
アンケートでは「安全性や走行性向上」「災害に強い道路ネットワークの構築」「信頼性の高い物流機能の確保」「集落とのアクセス性」を重視する意見が多数を占めており、この日の会合で参考にされた。
整備局では今後、能登半島地震の被害を踏まえ、リスクを軽減できる道路構造や施工計画を検討する。