近江八幡市は、切通し舟だまり(堀切港)における防波堤の設置を計画している。沖島漁港と通船でつなぐ定期船船着き場(近江八幡市沖島町)について、強風時の利用制限解消を図るもの。今年度に設計を行い、来年度の工事を予定している。
具体的な内容は設計業務で決める。工事発注に向けた細部・実施設計までを想定するが、比較検討により決定した構造形式により内容が変わる。このため、現時点では想定される消波ブロック堤のケースで設計業務を委託するが、協議の結果、構造形式が変更となる可能性がある。
防波堤の設計を行うにあたっての利用条件、自然条件などの設計条件を整理・設定。堀切港の浮桟橋に影響を及ぼすと想定される3波向きを抽出し、SMB法により30年確率の沖波を推算し、沖波条件を設定する。
防波堤の配置を想定し、高山法による波浪変形計算を実施して船着き場における波浪条件を整理。防波堤なしの場合との波浪低減効果及び防波堤の透過の有無による波浪条件の違いについて評価を実施する。沖波を基に浅水・砕波変形の計算を実施し、設計波条件を設定。設計波に基づき、防波堤の必要天端高さを設定する。
消波ブロック堤の形状を設定した上で円形滑り計算を実施し、適切な消波ブロック堤形状を設定。自立矢板堤に設計波が作用した場合の安定計算を実施し、自立矢板構造の諸元を決定する。
基本断面算定に係る項目を比較2案に対して実施する。消波ブロック堤及び自立矢板堤の比較断面図を作成。比較検討に用いる概算数量を算定する。標準的な施工方法に基づき、概算工事費を算定。比較案の各構造形式を整備する際の施工性の検討を実施する。概算工事費、施工性等から比較表を作成し、適正な構造形式を決定する。
設計業務の委託業者については、7月18日開札の一般競争入札により、日本インシーク滋賀営業所(栗東市)を選定した。委託期間は契約日から来年3月31日まで。
提供:滋賀産業新聞