神奈川県県土整備局は、都市計画道路穴部国府津線の第6期区間について、伊豆箱根鉄道大雄山線と狩川を渡る立体交差部の橋脚1カ所の工事に着手する。第3四半期中には、大雄山線と並行している小田原市道をまたぐ約10bの橋梁の詳細設計と、県道74号小田原山北線付近にある水路を越えるボックスカルバートの詳細設計を委託。まとまった用地が取得できた西側の立体交差部から整備を進める方針だ。用地取得率は9月末時点で74%に達した。
穴部国府津線は、小田原市府川の県道74号小田原山北線を起点として、酒匂川を渡り国道255号線を経て、小田原市国府津の国道1号線付近に至る都市計画道路。延長は約6500bで、このうち第5期区間までの約5600bが供用済み。
第6期区間では、小田原市蓮正寺東富水小学校入口交差点〜県道74号小田原山北線までの1200bを整備する計画。事業区間内には小田急小田原線と伊豆箱根鉄道大雄山線と交差する箇所があるため、2カ所で立体交差構造となる。2014年度から事業に着手した。
先行して建設を進める大雄山線との立体交差部では、狩川の上に橋梁を新設する。橋長は約190bで、スロープ部分も含めた立体交差全体の延長は約400b。鉄道事業者との協議がおおむね完了し、本年度から橋脚1カ所の建設に着手する。詳細設計は大日本コンサルタント(東京都千代田区)が担当。
小田急小田原線との交差部では、鉄道に並行している県道720号怒田開成小田原線に橋を架け、立体交差構造とする。橋長は約160b、立体交差全体の延長は約400bを計画している。詳細設計の発注時期は未定。
県は今後、残る事業用地の取得を進めるとともに、施工に時間を要する立体交差部に関しては鉄道事業者との調整や交通管理者との協議を重ね、着実に推進するとした。
神奈川県議会第3回定例会の建設・企業常任委員会(10月3日)では、佐々木ナオミ議員(こゆるぎ、小田原市)が穴部国府津線の進捗状況について質問した。
提供:建通新聞社