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建設経済新聞社
2024/10/03

【京都】京都駅北の京都プロジェクト 都市計画提案し高さ約60mに 延約11万9000uを予定

 令和6年度第2回京都市美観風致審議会景観専門小委員会が1日開かれ、事前協議の「京都プロジェクト(仮称)」について意見聴取した。
 京都プロジェクトは、日本郵便梶i東京都千代田区)、京都駅ビル開発梶i京都市下京区)が、日本郵便と西日本旅客鉄道梶iJR西日本)の所有する京都駅北側の敷地(京都中央郵便局、京都駅ビル西第2駐車場)を一体的に開発する計画で、既存施設を解体後、複合施設1棟を建設する。複合施設の主要用途は事務所、ホテル、商業、駐車場、バスターミナル。複合施設にはバスターミナルを一部移設するほか、駅前広場の拡張空間として開放的な憩いの場となる三層吹き抜けのアトリウムを配置、京都駅ビルと上空連絡通路で接続、京都駅前地下街ポルタとは地下空間で接続し、多様な都市機能の高度集積を図り、京都駅前の新たなシンボルを目指す。
 都市再生特別地区(特区)として京都市に都市計画提案し、高さ約60m(塔屋含む高さ約67・5m)、容積率約1000%として規模は延約11万9000uを予定する。
 計画地の京都市下京区東洞院通七条下る2丁目東塩小路町635−2、842−1、940の敷地面積は1万0500u。用途地域は商業地域で31m第一種高度地区。
 複合施設は、当初計画ではS造・SRC造を想定。地下4階地上14階建で、2階から下は商業施設、アトリウム、バスターミナルの一部移設(既存の高速バス乗降所を移設)などとし、3〜9階に事務所を配置、10階からはホテルとなる。屋上広場を配置。歩道と連続するピロティ状の通路を設ける。
 外観は、京町家の格子をモチーフとするほか、積層する庇で京都中央郵便局の記憶を継承する。
 東面の北東角は大きく構え、駅前広場とアトリウムをつなげる正面は列柱により門を表現。南面の縦連窓が正対する建物との適度な距離を保ちつつ、採光を確保する。東面から連続するガラスファサードを通して内部の賑わいを滲み出すとともに、ホテルの顔となるエントランスを配置する。北面は上部と分節する水平ラインにより、基壇部を際立たせ、連続した柱により店舗の連なる賑わいの景観をつくり出す。
 屋上には一般に開放する屋上広場を設け、眺望エリア(敷地北側〜東側に広がる京都の街の眺望を楽しめる空間づくり)、憩いエリア(人が心地よく滞在し、落ち着ける空間づくり)、シンボルエリア(京都駅ビルからの視線の抜けに配慮、イベント開催も可能となる空間づくり)のほか、Barエリアを配置する。
 解体する既存施設は、昭和36年築(昭和58年増築)の京都中央郵便局がSRC造地下1階地上6階建、延約4万3000u(建築面積約6700u)で高さが約31m、平成9年築の京都駅ビル西第2駐車場がS造9階建、延約1万8000u(建築面積約2200u)で高さが約30m。
 これまでに明らかになっている内容によると、工事期間は約5年を想定、既存施設の解体後、新築工事を実施する。基本計画・基本設計・実施設計を令和7年度初め頃まで進め、7年度後半頃から解体工事に着工し、8年度後半頃から新築工事に着工する予定。工事完了は令和11年度を目標とする。コンサルは日本郵政不動産(東京都千代田区)、日本郵政一級建築士事務所(東京都千代田区)。
 京都駅構内及び南北自由通路の混雑改善のため、JR西日本と京都市が連携し、南北自由通路の西側に新橋上駅舎(新改札口・コンコース)と自由通路を一体的に整備する計画を進めており、今回の複合施設との接続について協議を進めている。
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 なお日本郵便は商業施設「KITTE」の展開を進める。
 旧東京中央郵便局を保存・再整備するなどし平成25年に開業したKITTE丸の内(JPタワー低層部)を皮切りに、平成28年にKITTE博多、KITTE名古屋を相次いで開業。令和6年7月にはKITTE大阪を開業した。