川崎市は、臨海部の土地利用転換に先駆けて素材産業の拠点を整備する南渡田地区で、U期以降の事業計画の取りまとめに向けた検討を中央コンサルタンツ横浜事務所に委託した。履行期限は2025年3月26日まで。JFEスチールが研究開発施設を整備する北地区北側に続くU期地区以降の事業ステップを検討するとともに、U期地区として整備すべきと判断した地区の基盤整備の方針や事業費、スケジュールなどをまとめる。25年度末までの計画策定を目指す。
臨海部の南渡田地区では北地区約9f、南地区約43f、操車場地区約3fの段階的な土地利用を推進。基本計画では公道に接し、既存の構造物が少ない北地区を先行して整備する方針を示しており、北地区北側(T期地区)ではJFEスチールとヒューリックが研究開発施設の整備に向けて4月から既存建物の解体工事を進めている。
この他、南地区では北地区の研究開発施設と連携した工場や実験・実証施設の導入、北地区と南地区の間にある操車場地区は交通拠点として活用するなど方向性を定めた。
当初の計画では北地区南側を北地区北側に続くU期地区として整備し、巨大な工場建屋が残っており既存道路と接していない南地区は北地区南側以降に事業着手する想定だった。一方で川崎臨海部に工場の立地を希望する事業者が多数いること、北地区北側の研究成果を南地区の工場で製品にして社会実装するフローを早期に構築できれば北地区北側の需要も高まることなどから、U期地区以降の事業ステップを再検討すべきと判断した。
新たな事業計画では南渡田地区全体の整備の方向性を固めた上で、どの地区をU期地区とすべきか判断。U期地区として整備する地区については基盤整備や交通処理の方針、事業スケジュール、事業費などを取りまとめる。土地区画整理事業などを想定しているが、大規模な開発となるため既存の事業手法の枠組みが活用できるかどうかも検討する。
提供:建通新聞社