県土整備部建設技術振興課は、同部週休2日工事実施要領を一部改定し、週休2日の質の向上に向けた「月単位」の区分などを設定した。工事成績評定における評価点も変更し、完全週休2日(土日祝)の達成で2点、完全週休2日(土日)で1・5点、月単位の週休2日で1点を加点評価する。1日付以降の公告から適用する。
同部では、建設産業の働き方改革などに向けて、週休2日工事の取り組みを推進している。17年10月には受注者希望型、21年4月には発注者指定型を導入。同年10月からは、原則全ての工事を週休2日工事の対象とした。24年2月からは、発注者指定型での発注を原則化している。
今回の改定では、これまでの「通期」の取り組みに加え、「月単位」の項目を設定。月単位の4週8休は、対象期間内の全ての月ごとに現場閉所日数の割合(現場閉所率)が28・5%(8日/28日)の水準の状態を指す。国の方針に沿って、週休2日の質の向上を図っていく。
実施要領では、週休2日の取り組み期間について「発注者があらかじめ対象外としている内容に該当する期間、受注者の責によらず現場作業を余儀なくされる期間等を除くものとする」との条件を記載。
現場作業を余儀なくされる期間が生じる場合には、「受発注者間で協議して現場閉所による週休2日の対象外とする作業と期間を決定するとともに、変更契約時の設計図書に対象外とする作業と期間を明示する」とした。
工事成績評定の評価点に関しては、完全週休2日(土日祝)の達成で2点、完全週休2日(土日)で1・5点、月単位の週休2日で1点を加点評価する。明らかに、受注者側で取り組む姿勢が見られなかった場合には、2点の減点評価を行う。
一般公共(港湾工事、空港工事を除く)、電気設備、機械設備における週休2日工事(発注者指定型)の補正係数を見ると、「完全週休2日(土日祝)」「完全週休2日(土日)」「月単位(4週8休以上)」の場合には、労務費1・04、機械経費(賃料)1・02、共通仮設費率1・03、現場管理費率1・05となっている。
通期(4週8休以上)の場合の補正係数は、労務費、機械経費(賃料)、共通仮設費率が1・02、現場管理費率が1・03と設定している。
同部建設技術振興課の田家清子技術企画指導課長は、「月単位の区分を増やすなど、取り組みやすい形になったと思われる。働きやすい環境づくりや、建設業の担い手の確保につながれば大変ありがたい」と話している。
このほかの県の取り組みとして、農林水産部においても週休2日工事を推進中。同部では、現場条件などから週休2日の取り組みが困難な場合には、「受注者希望型」で発注できる。
農林水産部の場合の経費補正は、労務費×1・02、機械経費(賃料)×1・02、共通仮費(率分)×1・02、現場管理費(率分)×1・05として、達成できなかった場合は全ての補正分を減額して契約変更を行う。
提供:日刊岩手建設工業新聞