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建通新聞社(神奈川)
2024/09/30

【神奈川】県 建築工事で総合評価増加へ

 神奈川県県土整備局は、建築工事の発注に関して総合評価方式の採用を増やす方針であることを明らかにした。これまでも適用例はあったものの、土木工事と比較して件数が非常に少なかったことから、本年度中に発注する複数の建築工事で総合評価方式による入札を実施する。実施結果や事業者の反応などを踏まえ、より適切な発注方式を探りたい考えだ。
 現在公告中の「(住営44)スポーツセンター球技場1観客席改修工事」を含め、新築や改修などの建築工事で総合評価方式を適用する。
 総合評価方式による発注は大規模で難易度の高い工事に集中していた。土木工事では中小規模工事でも技術力の向上を促すため、評価項目を絞り込んだ簡易型を適用することで実施件数を増やしてきたが、建築工事では総合評価方式による入札件数自体が少なかった。
 神奈川県議会第3回定例会の一般質問(9月26日)で柳瀬吉助議員(清進の会、川崎市宮前区)が県土整備局の発注工事でくじ引きが多発している状況について取り上げた。柳瀬議員は「技術力向上や人員育成に力を入れている企業が報われず、入札参加意欲が削がれる」、「受注の見通しが立たず経営の安定に影響が出る」といった地元建設業者の入札制度に対する不満に言及。「くじ引きの多発は、地元建設業者の育成の観点からも望ましくなく、より良い事業者を選定するという県の責務を果たしているとは言えない」と述べ、西山俊昭県土整備局長に答弁を求めた。
 西山局長は、「いのち貢献度指名競争入札やインセンティブ発注、総合評価方式による入札件数を確保することで、地域への貢献や技術力の向上といった事業者の努力を評価し、より良い事業者を選定していく」と答弁した。
 県では入札制度「かながわ方式」を運用し、災害協定を締結した企業や工事成績優秀者を対象とするいのち貢献度指名競争入札やインセンティブ発注一般競争入札、総合評価方式を実施しており、これら三つの方式による工事発注件数は、県土整備局全体の発注工事の約5割を占める。

提供:建通新聞社