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建設経済新聞社
2024/09/30

【京都】上下水道事業審議会で答申 ウォーターPPPの制度活用も

 長岡京市は26日、上下水道局事業審議会を開催し、上下水道ビジョンの前期検証及び後期見直し案を中小路健吾市長に答申した。
 上下水道事業審議会は、令和5年10月に市長の諮問を受け「長岡京市上下水道ビジョンの中間見直し」のために約1年間をかけ前期の5年間の検証と今後5年間のあり方について議論を重ねてきた。今回の中間見直しでは、大きな社会情勢の変化の中で「持続可能な経営」を前提とし、どのような将来像を描けるかがポイントとなった。
 答申書によると、取組を変更した主な項目は「今後耐用年数を超過する水道管が一斉に増加することから、現在の法定耐用年数を基準としてきた管路の更新を、これまでの実績等を踏まえ長期的に使用可能な材質なども考慮した実使用年数での新たな基準で更新を行うこと」「広域化の検討について、隣接する近隣関連市町(京都市・乙訓2市1町)から、現在進められている京都市を含めた府営水道受水10市町や京都府南部圏域などで様々な検討を行い、議論を進める」「雨水貯留タンクは、目標設置件数を大きく下回っていることから、これまでの水循環を主とした視点だけではなく、令和6年元旦に発生した能登半島地震で課題となった災害時の生活用水確保を目的とした新たな視点も含め積極的な周知を行い、設置台数の増加を目指す」など。
 今後の上下水道料金のあり方については「前期計画期間においては、社会情勢の変化や料金改定があったものの、収支計画で見込んでいた収入から大きな乖離はなく、支出においても、効率的な事業運営が図られていることから、3つの重点基準目標が一部では下回っているもののほぼ計画数値通りであり、経営状況は概ね健全な状態にあるといえる。また、主要な事業の取り組み状況についても、中間目標値の達成が概ね可能な状況にあることは評価できる」とし、「事業投資規模の大きい老朽管路等の施設更新を行うにあたっては、ストックマネジメント手法による投資額の平準化はもとより、新たに設定されたウォーターPPPの活用も含め制度の変化を十分に注視し、様々な先進事例や新技術を研究しながら支出総額の圧縮に努め、市民負担の軽減につながるよう効率的な事業運営を図っていくこと」などを求めた。
 答申後の挨拶で中小路市長は「水道事業の適切な管理をしっかりしていかなければならない一方で、耐震性も含めた投資を着実に進めていかなければならないと感じている」「今回頂戴した答申をしっかりと踏まえながら、後期5年間の上下水道の事業運営に取り組んでいきたい」と述べた。