建設新聞社
2024/09/30
【東北・山形】井上貴詞事務所に委託/千歳館リノベの実施設計
山形市は、旧料亭千歳館の建物改修に伴う実施設計をコンソーシアムメンバーの井上貴詞建築設計事務所(山形市)に委託している。委託金額は4615万6000円(税込み)。履行期限は2025年3月28日。
七日町4の9の2地内に立つ千歳館は、市内を代表する料亭の1つだったが新型コロナウイルスの影響で休業。市は、立地する「本町・七日町」エリアが公園空白区域に該当していることから、大正期に建設されたW造2階建て、延べ968平方bの本館をはじめ、離れのW造平屋建て、延べ96平方bの「ちとせ」、W造平屋建て、延べ48平方bの「つる」など3つの有形文化財を含む延べ1581平方bの建築物を千歳館側から譲り受け、和洋の意匠を併せ持つ建物の歴史的価値や料亭・芸妓文化を活かした都市公園としてリノベーションする方針だ。
建物の改修については、山形市と今年6月に発足したコンソーシアム(メンバー=とみひろ・NOTE・井上貴詞建築設計事務所)で連携を図りながら進めていく。
基本設計によると、建物の歴史的外観を活かしつつ、本館1階は宿泊施設、レストラン・厨房、観光案内機能、2階にイベントスペースの配置を想定。「ちとせ」も宿泊施設、「つる」はカフェとして活用する方針だ。実施設計では基本設計を土台に建物改修の詳細を詰めていく。
早ければ25年4月から5月にかけて建築工事、電気設備工事、機械設備工事の施工業者を選定する。27年度の供用開始を目指す。
なお、公園側の整備については、料亭庭園の魅力を残し、バリアフリー化を図りつつ、休憩施設、イベント広場、遊具、石畳の園路を整備する方針。実施設計は協栄測量設計が担当。工事は26年4月ごろに発注する見通しだ。
提供:建設新聞社