長岡京市は、9月市議会の一般質問で西山公園と長法寺南原古墳の連携した整備について報告した。
市は西山公園について、水道配水池跡地を活用したインクルーシブ公園の整備や、グリーンハウスを活用した飲食店などの便益施設の設置に取り組み、令和8年度の供用開始を予定している。これらの取り組みにより、年間を通じて西山公園を楽しめることができる、新しい魅力の創出につながるものとして期待されている。西山公園体育館西側の山頂付近に、乙訓古墳群を構成する古墳の一つである長法寺南原古墳があり、西山公園の基本計画の見直しと、長期的な整備が見込まれている長法寺南原古墳と連携した整備を進めることとなっている。
中小路健吾市長が答弁し、「長法寺南原古墳は、平成30年2月に国史跡乙訓古墳群に追加指定され、史跡区域は2万5574uとなっている。文化財の保存、活用の観点から、令和4年12月に策定した長岡京市文化財保存活用地域計画で史跡の公有化をするとともに、整備を進め、適切に維持管理をし、さらなる活用についても検討している。長岡京市みどりの基本計画では、西山公園の長期的な整備について、長法寺南原古墳と連携した整備を進めることとしており、令和6年度から7年度にかけて策定する第二次みどりの基本計画で、さらにその内容について進化をさせる予定。整備のイメージは、事業スキームとしては、史跡区域の周囲を西山公園の整備区域に取り込み、史跡区域の古墳整備は文化庁の特定財源を活用し、史跡区域外の公園整備については国土交通省の特定財源を活用しながら、設計、用地取得、埋蔵文化財調査、整備工事などの事業を進めていきたい。整備の具体的な内容は、古墳部分は国史跡であることから、当時の墳丘の復元を前提とした整備とはなるが、高低差のある地形を生かした墳頂での眺望整備などの可能性は大いにあるものと認識をしている。現時点でのアイデアベースではあるが、遊歩道、駐車場のほか、官民連携の手法を取り入れたキャンプ場やアスレチック、ドッグランなどの集客施設を整備をし、方向性としては、史跡区域を含めた西山公園に市民をはじめ多くの方々にご利用いただける賑わいと魅力に溢れた公園施設を目指していきたい」と述べた。
今後の整備予定について、中小路市長は「今回の公園整備は大規模な事業となるため、魅力の向上と管理運営の効率化を両立していくことが重要。体育館、ジャブジャブ池、インクルーシブ公園やグリーンハウスの賑わい等、連携した整備を行うことが有効であり、民間事業者から見た事業の市場性や有効性、実現の可能性などを確認するため、官民連携による賑わいの創出などの可能性について検討を進めていく。検討方法としては、今年11月に国土交通省主催の官民対話方式によるサウンディング調査を活用する予定。こうした官民対話を重ねて、公園区域の規模や施設配置などの構想について、議会をはじめ、地元、地権者の意見も聞きながら事業化を目指していきたい。はっぴぃバスや路線バスといった具体的な交通手段の内容や実現可能性については今後の検討課題となるが、事業が進み、設計等を実施する際には、魅力ある公園施設の整備を目指したい」と考えを述べた。