富山県が計画する「新川こども施設整備・運営事業」の落札者が大和リースグループに決定し、県事業発注で初となるPFI事業が本格スタートする。
PFI事業者選考審査会による総評では、建築、外部環境との一体性の高い遊びの環境の提案が非常に優れ、利用者に質の高いサービスを提供するための具体性と実効性を兼ね備えた提案が高く評価された。
大和リース富山支店を代表企業とする同グループは、前田建設工業、関口組、フクシ・エンタープライズ、アクティオ、富山総合ビルセンターの構成企業、環境デザイン研究所、福見建築設計事務所、東城の協力企業からなる。設計、建設、開業準備、運営、維持管理、統括管理、付帯事業を行う。事業期間は2042年3月31日まで。落札価格は51億7599万9180円(税込み)。
提案によると、建設規模はS一部W造2階建て延べ2597・49平方メートル。魚津市宮津の新川文化ホール敷地内に、屋内遊戯施設、もりの遊び場、つきやま広場、のびのび広場などを整備する。「にいかわ◎サークル〜こどもしあわせ好循環の場」を事業コンセプトに、▽あそびはじまりホール▽空中あそびゾーン▽大地あそび・流れ遊びゾーン−など富山の自然をモチーフにしたダイナミックな遊具空間、インクルーシブな遊び環境を設ける。保護者交流・休憩スペースも配置し、施設や遊具には県産木材を活用する。
運営では、プレイリーダーによる遊びのサポートや安全管理を実施。多様なこどもの能力に対応した遊び・プログラムを提供し、県内企業や団体と連携した運動・創造・交流のイベントを開催する。
12月に事業契約を結び、2025年1月から設計、26年3月から建設工事に着手し、27年8月1日の供用開始を目指す。
新川文化ホールで記者会見した新田八朗知事は、「こどもまんなか社会のシンボルとなる施設で、非認知能力や運動能力を育み、子育ては楽しいと体感できる施設にしたい。地域との連携・協力によりつくり上げていく。PFI−BTO方式を採用して民間の創意工夫・ノウハウを最大限活用しながら、次代を担う子どもたちのための事業を効率的、効果的に推進していく」と施設の概要を説明。村椿晃魚津市長は、「県東部の自然を生かした中で、子どもたちをたくましく成長させていく遊びの場となる。市としてしっかり協力し、計画通り実現するよう県とともに進めていく」と述べた。