能登半島地震で被害を受けた七尾市の和倉温泉の護岸復旧を検討する北陸地方整備局の会議は26日、同市の和倉温泉お祭り会館で第3回会合を開き、公有化する民有護岸を含め現在の位置と高さで復旧する方針を取りまとめた。旅館の再建に支障が出ないよう、海側に重機が通行できる仮設道路を設けて護岸の上部工を整備する方法を採用する。
和倉温泉の護岸復旧延長は約3・5キロで、うち公有化の手続きを経て修復する予定の民有護岸は約1・8キロある。計画では旅館再建を含めた全体工期を短縮するため、海側に天然石を積み上げた幅10〜15メートルの重機用の仮設道路を整備した後、旅館側で護岸の上部工を新設する。施工後には仮設道路を土留めとして利用、水面下に藻場を造成し、水産振興につなげる。
北陸地方整備局は、和倉港区域内で七尾市からの権限代行により実施する護岸復旧について、今後工事発注の手続きを進め、年内に着工する方針を示している。県、市が公有化後に取り組む民有護岸の工事を含め、おおむね2年程度での全体完成を目標に掲げている。