国土交通省がまとめた「道路メンテナンス年報」によると、2巡目の点検が終わった2023年度末時点で、高知県の地方公共団体が管理する橋梁のうち、次回点検までに修繕が必要な早期措置段階のV判定となったのが10%、緊急措置段階のW判定が0・3%だった。1巡目の点検が完了した18年度末のV判定13%、W判定1%と比べ、V判定の橋梁は減少した。健全のT段階は23%、予防措置段階のU段階は66%だった。
橋梁の点検判定区分を管理者別に見ると、県管理がT判定12%、U判定79%、V判定8%。市町管理がT判定26%、U判定63%、V判定10%、W判定0・4%となった。
W判定の橋梁は県内に28カ所ある。この内、室戸市の市道佐喜浜本線にある佐喜浜橋は主桁、下部工に腐食などがあるため、全面通行止めとした。今後撤去する予定。
安芸市の市道奈比賀古井線にある13号橋は落橋や橋台の崩落により全面通行止めで、修繕を予定。7号橋、8号橋、12号橋は床版の木材に著しい腐朽や脱落があるため全面通行止めとしており、修繕を予定している。
須崎市の市道大谷6号線2号橋は、主桁の鉄筋が露出しており、全面通行止めで、撤去を予定している。宿毛市の市道山田貝礎線にある貝礎1号橋は、主桁や床版の腐食、洗堀が見られるため、全面通行止めの措置を取った。今後廃止する予定。土佐清水市の市道大津南線にある叶崎2号橋は、主桁や横桁の剥離・鉄筋露出があるため全面通行止めとしており、撤去を進めている。
香美市の市道神池川ノ内線にある猪ノ谷橋は、橋梁の落橋により全面通行止めとなっている。今後廃止を予定する。馬路村の村道野口橋線にある野口橋は、全耐風索の破断によるハンガーロープのゆるみが見られるため、全面通行止めとなった。廃止を予定している。大豊町の町道穴内尾生線にある旧吉野川橋は、変形や欠損などが見られるため全面通行止めとしており、措置は未定としている。
津野町の町道茶屋ケ駄場線にある無名橋12は、主桁や横桁に腐食があるため通行規制を行っている。今後撤去を予定。四万十市の町道吾川線にある大正橋は、主桁や縦桁、横桁、ボルトの腐食が見られるため全面通行止めとしており、措置は未定としている。
県内の地方公共団体が管理するトンネルについては、市道与市明野地線にある宿毛トンネルでうきやひび割れからの漏水があるため、全面通行止めとしており、廃止を予定している。
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建通新聞社