金沢市は、令和6年能登半島地震により甚大な液状化被害を受けた粟崎地区について、最良の復旧工法を選定するため、粟崎小学校の敷地の一部を利用して実証実験を行う。今年度9月補正予算には液状化被災地区復旧工法検討費1億2200万円が盛り込まれた。
同市被災地区復旧技術検討会議はこれまでに、粟崎地区の液状化対策に関し、地形や地盤状況等を考慮した場合、「地下水位低下工法」の採用が最も効果的と指摘しており、同工法の効果と周辺宅地の地盤等に及ぼす影響を、土地の動態観測を実施して確認する。
実験内容は、同小敷地内において、集水管を砂丘と平行に約50メートル、中間部から直行するように約15メートル、深さ4メートル程度の位置に配した上で、地下水位計測器や、地表面沈下計測器も設置し、動態観測を行う。市では設計を終え次第、年内に実証実験現場の工事と、観測業務に取り掛かる方針だ。
今後のスケジュールとしては、年度内に液状化対策工法を決定。来年度は実施設計に着手し、工事は2026(令和8)年度から進めていく。
村山卓市長は市議会9月定例月議会の提案説明において、「被災地区復旧技術検討会議での意見を頂きながら、(粟崎)地域の皆様との合意形成を図り、早期復旧に努めていく」と述べた。