横浜市が2023年度末現在で実施しているPFI事業は13件あり、参画企業77社のうち市内中小企業者は16社(構成比率20・8%)だった。また、施設整備段階にあった3件のうち、PFI事業者から市内中小企業への発注件数は106件(29・9%)で、総額は72億4600万円(36・9%)。市はPFIを含めたPPPを活用するに当たり、WTO政府調達協定の対象金額を下回る小規模な案件では、応募グループに市内企業を含めることを必須条件とする方針を打ち出すなど、市内企業の参画を促す。
13件の内訳をみると、10件が維持・管理運営期間中で、施設整備(設計・建設)段階だったのは▽横浜市文化体育館再整備事業▽本牧市民プール再整備事業▽環状3号線(杉田港南台地区)電線共同溝PFI事業―の3件。
この3件のうち、それぞれのPFI事業者からの下請契約などに関する発注件数は23年度までに累計354件、総額196億1700万円となっている。
事業ごとに見ると、文化体育館の再整備は計283件、総額175億2300万円を発注したうち市内中小企業の契約実績は77件、64億7900万円(構成比率それぞれ27・2%、37%)。
本牧市民プールの再整備では計64件、総額19億9800万円を発注。このうち市内中小企業が25件、7億1400万円(39・1%、35・7%)を契約した。
環状3号線の電線共同溝については計7件、総額9600万円のうち、市内中小企業の契約が4件、5300万円(57・1%、55・2%)を占めた。
市は中小企業振興基本条例に基づいて、PFI事業に市内企業が積極的に参画できる仕組みの構築に取り組んでいる。22年度に設立した「横浜PPPプラットフォーム」を通じて情報共有や勉強会・セミナー、ビジネスマッチングなどを進めている他、導入可能性がある事業のリストを公表中。
また、比較的小規模な案件の創出を図るとともに、WTO政府調達協定の対象金額を下回る案件でPFIの事業者を公募する際には、応募グループに市内企業を含めることを必須条件とする考えだ。
提供:建通新聞社