北陸電気工事(本店・富山市小中、山崎勇志代表取締役社長)の2024年度「新入社員技能発表会」が21日、富山市東黒牧の同社能力開発センターと技術開発センターで開催され、関係者約400人が参加した。
今年4月に入社し、能力開発センターで技術や技能の習得に励んだ新入社員61人が、6カ月間にわたる研修成果や成長ぶりを保護者や家族、母校の先生と後輩、関係者に披露。来場者が北陸電工の技術を体感することで、同社を広く理解してもらう目的で毎年開いている。今回が9回目。
技術開発センターで行われた開会式であいさつした山崎社長は、「当社の経営資源で一番大切にしているのはヒト。ヒトの成長こそが企業の成長につながる。開会式終了後、隣りの能力開発センターで各部門の発表を行う。同センターは、当社の未来を担う人材育成の拠点。全天候型の屋内実習場や屋外実習設備、実習室を備え、新入社員教育、資格取得などの教育を行っている」と述べた上で、「敷地内にある安全体感施設は危険を疑似体験することで、安全への感受性を高めることを目的とした施設。当社の安全第一の要となる施設であり、ぜひ体験して頂きたい」と話した。
また、「私達がいる、この技術開発センターは、働き方改革の推進に向け、デジタルトランスフォーメーション(DX)を活用した技術開発を強力に推進するため、一昨年3月に完成。技能五輪選手の育成を含め、技術の北陸電工を社内外に強く発信する拠点と位置付けている」とし、「技能五輪国際大会がフランスのリヨンで開かれ、日本代表として当社の野ツ俣翔也選手が出場し、銅メダルを獲得。当社の技術が世界に通用し、世界で3本の指に入った。これ以上の喜びはない。野ツ俣選手には、この貴重な経験を今後に活かしてほしい」と語った。
さらに、「当社は、10月1日に創立80周年を迎える。今後も「まるごとあんしん北陸電工」のキャッチフレーズのもと、デジタル技術を生かした生産性向上と人材育成を推進する。生活の基盤を守る総合設備企業として、安全第一で一層の努力を積み重ね、さらなる社会貢献に尽力する所存。新入社員の皆さんは、ライフラインを守るエッセンシャルワーカーであることを自覚し、これまで学んだ技術と技能を大いに発揮し、成長した姿を皆さんに見せて下さい」と激励した。
来賓の岩原善延富山工業高校校長を紹介した後、新入社員を代表し、内線工事部門の藤野雄大さんが「安全の誓い」を力強く読み上げ、新入社員全員で唱和した。
新入社員による発表会は内線と空調管、配電、外線送変電の部門ごとに行われた。
内線部門は、屋内配線模擬作業やシーケンス制御(信号機作製)、空調管部門は、給湯配管システムの検証結果をそれぞれ発表。配電部門では、配電線柱上作業の実技訓練を披露し、アシストアームの操作と高所作業車の乗車体験イベントも行った。外線送変電部門は、電線宙乗り点検作業を公開。安全体感施設のVR技術による危険シュミレーションでは、来場者が高所からの墜落事故やチェンソー切創事故、単管落事故などの仮想現実を体感した。新入社員教育動画や能登震災復旧動画も上映された。
一方、隣りの技術開発センターでは、技能五輪全国大会に出場する選手の練習状況が公開されたほか、業務用ドローンの実演なども行われた。