公立大学法人国際教養大学は、建築から47年が経過し老朽化している管理棟の建て替えを計画している。調査・基本計画策定の公募型プロポーザルを早ければ10月に公告し、12月の契約を見込む。来年度は基本設計を委託する予定で、実施設計は基本設計を委託した業者と同年度中に随意契約する予定。工事は従来方式での発注を見込んでいる。県高等教育支援室は事前調査・基本設計等委託費7,819万9,000円を9月議会に上程している。
全体計画は、複数施設に分散している機能を集約した新管理棟を建築するもの。管理棟(A棟)、学生会館(F棟)に分散している事務局機能と、A棟、講義棟(B棟・C棟)、ファカルティ棟(E棟)に分散している研究室を集約し、教育研究環境の充実を図る。F棟に設置しているキャリア開発センターも新管理棟に移動する予定。新管理棟建設後は老朽化しているA・E棟のほか、現在使用されていない感染症対策隔離施設(8棟)を解体する。
解体予定のA棟は、昭和52年に建設された鉄筋コンクリート造4階建て、延べ床面積3,885u。E棟は、昭和55年に建設された鉄筋コンクリート造平屋建て、床面積672u。感染症対策隔離施設(8棟)は、平成3年に建設された鉄骨造2階建て、延べ床面積計2,144u。
全体事業費は約40億円を見込んでいる。このうち新管理棟建築工事費に34.8億円、解体工事費に4.2億円を充てる。
県高等教育支援室が事前調査・基本設計等委託費7,819万9,000円(9月補正予算案2,346万円、債務負担行為5,473万9,000円)を9月議会に上程している。内訳は、事前調査・基本計画策定に2,673万円、基本設計に4,046万9,000円、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルの略称。消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物)化コンサルティングに1,100万円となっている。今後は、事前調査・基本計画策定を10月または11月に公告、基本設計とZEB化コンサルティングを来年度に発注する。
調査・基本計画策定では、測量や地盤調査、新管理棟の詳細や建設位置の検討を行う。A・E棟、感染症対策隔離施設の解体跡地の活用についても、駐車場として活用する可能性も含め検討する。なお、新管理棟は現管理棟北側の駐車場付近を建設予定地としている。
8年度に感染症対策隔離施設を単年度で解体し、新管理棟を9・10年度の2カ年で建築、A・E棟を11年度に解体する。新管理棟の供用開始は11年度を予定している。また、機能移転後のB・C・F棟については、新管理棟建築後に空き教室の活用を検討し、早ければ11年度に改修する見通し。
提供:秋田建設工業新聞社