滋賀県は、県営能登川幹線地区土地改良事業「農地防災(特定農業用管水路等特別対策)事業」の事業計画を、8月19日付で定めた。早期の事業着手を目指して行く。
事業の受益地は、東近江市の北西部に位置する種町及び乙女浜町ほかの水田575・7f。同地区は、昭和39年から平成5年にかけて実施された県営及び団体営ほ場整備をはじめ、県営かんがい排水事業によって基幹水利施設が造成されている。
しかし、用水路は石綿管のパイプラインで経年劣化による老朽化が著しく、水管理や維持管理に多大な労力を費やしているほか、漏水等により農業用水の確保に支障が生じるなど、営農に支障を来している。
このため本事業の実施により、石綿管を撤去して他の管種に更新することで、生産性の高い優良農地を確保するとともに、石綿に起因する影響を未然に防止し、農業経営の安定及び農業生産性の維持を図るとしている。
工事計画は、用水路工(パイプライン)L8700b(VUφ200〜250、ALWφ500〜600水管橋)。
事業費は、工事費19億7800万円、測量試験費1億9000万円、用地買収補償費2400万円など総額23億円と見込む。
当該地区は、一級河川愛知川の扇状地と干拓地で形成され、耕土は砂質土。心土は粘質が強いため水持ちが極めて良く、少量の用水で多くの農地にかんがいすることができるという特性を持つ。
また、愛知川のほか大同川、瓜生川、五位田川、山路川、躰光寺川、須田川の7つの河川があり、かつて広大な面積を有していた小中之湖、大中の湖などの内湖の一部が伊庭湖として残されており、地域に特徴的な水環境が現在でも残っている。
提供:滋賀産業新聞