トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設経済新聞社
2024/09/24

【京都】京都府9月議会の代表質問 道路網強化に向けた在り方 近畿地方整備局京都国道事務所と検討

 9月18日・19日の京都府9月議会の代表質問において、優良農地の確保、都市計画区域マスタープラン、道路ネットワークの整備について、西脇隆俊知事が答弁した。
 西脇知事は優良農地の確保について「京都府では既に農地中間管理事業を担う京都府農業会議をはじめ、市町村や農業委員会、土地改良区などの関係機関とともに、府域における農地の利用調整を進めている。具体的には南部地域においては、まずは新たな優良農地の確保を図るとともに、中北部の担い手が不足する地域との広域的な農地の利用調整の促進に向けて、京都府がより指導的な役割を果たしていく必要があると考えている。新たな優良農地の確保に向けて、1つには農地中間管理事業を活用し、市町村域を超えて点在する農地を企業的経営体などに集積・集約化すること。2つにはほ場や農道、水路の整備、水田の汎用化による高収益作物への転換などを進め、荒廃農地の再生やほ場の大規模化を図ることなどにより、営農ニーズに対応した農地の条件整備を進め、農用区域への編入を促進していきたいと考えている。中北部地域との農地の広域利用調整に向けては、1つには将来の農地利用の姿を明確化する地域計画を策定する市町村等と連携し、地域の話し合いの中で、担い手不足の中北部の農地と南部の企業的経営体とのマッチングを促進すること。2つには営農地の二拠点化に伴い必要となる技術人材の確保や農業機械の共同利用化を支援することなどにより、南部地域の企業的経営体による優良農地の確保を促進していきたいと考えている」「改正された食料・農業・農村基本法では、新たに食料安全保障の確保が基本理念に位置付けられるとともに、関連法として食料生産の基盤となる農地の総量確保と適正利用のための措置を強化する農地制度の見直しが行われた。今後、食料安全保障の強化に必要な農地面積を明確化するなど、国の農地利用の方向性を示す農用地等の確保等に関する基本指針の改定が見込まれることから、京都府としても優良な農地の確保とその有効利用に向けて、さらに検討を重ね、取り組みを強化していきたいと考えている。今後とも市町村や関係機関と連携し、農地の保全・確保に努めるとともに、意欲ある担い手を育成し、京都府農業の持続的な発展に向けて取り組んでいきたいと考えている」と答弁した。
 都市計画区域マスタープランの見直しについて「都市計画区域マスタープランは、急速に都市が拡大する都市化社会から、安定成熟した都市型社会への変化に対応するため、平成12年に制度化されたものであり、長期的視点に立った都市の将来像を明らかにして、都市計画の基本的な方針を示し、市町村と共有することで広域的な役割を担うもの。京都府においては平成16年に府内全ての都市計画区域について、優良な農地との調和を図りつつ、都市の生活と活動を確保することを方針とした都市計画区域マスタープランを決定した。この都市計画区域マスタープランについては、地域特性から南部と北部にグループ化し、それぞれ概ね5年ごとに実施する都市計画基礎調査の結果により、都市の人口や産業、土地利用等の現況と将来見通しを把握し、社会経済状況とともに変化する都市の将来像を見据えて適時適切に見直しを行っている。これまで南部では平成19年に大規模小売店舗の郊外立地と中心市街地の空洞化に対応するため、また平成28年には人口減少下にあっても活力ある都市を維持していくため、合わせて2回の見直しを行っている。北部では選択制である市街化区域と市街化調整区域の区分について、市町が地域特性に応じたまちづくりを進められるよう、平成28年と30年に見直しを行っている。現在南部において新名神高速道路など広域的な道路ネットワークの整備の進展を活かした市町のまちづくりの意向を踏まえつつ、優良な農地等の保全にも配慮した都市計画区域マスタープランの今年度中の見直しに取り組んでいる。また北部においては、関係する市町と協力して都市計画基礎調査を進めている。引き続き、適切な時期に都市計画区域マスタープランを見直すことなどにより、広域的な視点で農業用地等の保全と産業用地の確保の最適化を図りながら、市町村と連携し、地域の魅力や活力を高めるまちづくりを進めていきたいと考えている」と述べた。

城陽〜八幡の道路新設等
事業の実現性など評価へ

 道路ネットワークの整備について「新名神高速道路の沿線地域においては、全線開通を見据え、商業施設や物流施設の活発な立地が進むなど、広域交通の利便性を生かした新たなまちづくりが進展している。こうした産業の活性化や新たな雇用の創出などは沿線地域のみならず、京都府南部地域全体のさらなる発展にも寄与するものと考えている。南部地域の力強い発展を基盤面で支えるため、京都府では関係機関とも連携して道路ネットワークの整備に取り組んでいるが、現状においても混雑が発生していることに加え、予想を超える規模で開発や立地が進んでおり、交通需要のさらなる増加が見込まれることから、高速道路へのアクセス道路整備など、さらなるネットワークの強化が重要な課題だと認識をしている。道路ネットワークの強化に向けた今後の在り方については、(近畿地方整備局)京都国道事務所と検討を進めてきたところであり、現在整備を進めている新名神高速道路や城陽井手木津川バイパスなどが開通したとしても、道路ネットワークの複数路線で混雑が残るとの推計結果を得たところ。混雑を緩和するための新たな対策として、例えば関係市町が要望している宇治市と八幡市を結ぶ既存道路の拡幅や、城陽市と八幡市を結ぶ道路の新設などの主要な事業は一定の効果が期待できることも確認できた。今後は事業の効率性、実現性の観点から総合的な評価を加え、新たな対策の具体化に取り組んでいきたいと考えている。京都府としては、南部地域の力強い発展を支援するため、引き続き関係機関と連携し、高速道路を軸とした道路ネットワークの強化充実を推進していきたいと考えている」と述べた。