ウッドリンク(射水市寺塚原 原野剛行社長)は11、12の両日、同社敷地内で建設中の製材事業部事務所において構造見学会を開いた。2日間で建築設計事務所やハウスメーカー、ゼネコンなど13社44人が参加し、県内では初採用となる「ブレスターH」や「ピタットベース」などを用いて、大空間を実現させた木造オフィスに認識を深めていた。
建設中の事務所は、規模がW造2階建て延べ405・77平方メートル(1階205・37平方メートル、2階200・40平方メートル)。1階に事務室や鋸目立て室など、2階には会議室などを配する。構造費は1400万円かかったが「JAS構造材実証支援事業」の採択により、330万円の補助金を充当。意匠設計が米田建築設計室、構造設計が竹ノコウ本舗−構造設計室(金沢市)で、施工は寺崎工業が担当。11月の竣工を予定している。
同事務所では、安定した引張性能と靭性効果を発揮する高耐力柱脚金物「ピタットベース」を1階に16カ所、次世代型耐力壁「ブレスターH」を2階に17カ所採用し、455ミリの狭小耐力壁と最大で10メートル×9メートルの空間とした。2階小屋組には「オメガブレース」を22カ所施工し耐震性をアップさせた。さらに同社が開発した高品質軸組パネル『プレウォール工法』により、非住宅でも十分な耐震性を実現。地盤改良には天然砕石を用いた「スクリュープレス工法」を採用しており、コスト削減とともに資産価値対策も行った。
同社企画開発部非住宅推進室の佐々木哲郎専任次長は工期短縮やコスト削減、高気密・高断熱といったメリットを挙げながら「木の素材感による癒やしや温もりといった効果が、オフィスでも感じられる。国の後押しもあり、SDGsの観点からも非住宅の木造化・木質化はまだまだ伸びる」と優位性をアピールしていた。
問い合わせは、ウッドリンク企画開発部非住宅推進室(電話0766−84−4466)まで。