斎藤分小学校と二谷小学校(いずれも横浜市神奈川区内)の学校規模適正化を議論するため横浜市教育委員会が設置した検討部会は9月19日、両校の統合を見送り、二谷小単独で建て替えの検討を進めることが適当だとする方針を固めた。今後、検討部会の意見書をまとめて提出する。近傍にある青木小学校では将来的な児童数の増加による学区再編の可能性があるため、青木小の方向性を定めてからできるだけ早期に二谷小建て替えの設計に着手したい考え。
老朽化した二谷小の建て替えに当たり、隣接する斎藤分小が小規模校となっているため統合を選択肢に入れて検討してきた。地元住民や保護者の代表者らが参加する検討部会を2021年度に発足し、これまで3年にわたり議論した。
この間、同区内にある青木小学区内でマンション開発計画が相次ぎ、不足教室対策の一環として二谷小と斎藤分小の間で通学地域の見直しを行う可能性も浮上している。
これらの状況を踏まえ、当日の部会では、両校の統合を見送り、二谷小を単独で建て替える案を市が示した。ただ、二谷小が将来的に現在の学校規模で推移する場合、校舎のみを改築して耐用年数を迎えていない体育館は残す方針だ。
斎藤分小については校舎の目標耐用年数の70年を迎えた段階で「適正規模校」と判断した場合に、通学区域の再編成や老朽化対策の手法などを改めて検討する。
二谷小の設計などの着手時期については、青木小学区の状況を見極めながら「できるだけスピード感を持って方向性を見いだしていきたい」(教育委員会)と説明した。
また、教育委員会からの提案に対し、「せっかく二谷小を建て替えるのであれば、体育館も含めてほしい。少なくとも空調設置は必要」といった意見が出た。
二谷小の所在地は神奈川区平川町11ノ1。敷地面積は7611平方b。
斎藤分小の所在地は神奈川区斎藤分町34ノ1、敷地面積は9491平方b。
=青木小学区ではマンション供給増=
青木小学区内では民間企業の社宅跡地などでマンション開発が相次いでおり、24〜28年に少なくとも915戸が供給される計画。ガーデンセンター横浜跡地やJR東日本松ケ丘寮跡地の開発も想定されている。このため今後、教室数の不足対策などを検討することになる。
青木小は神奈川区桐畑17に立地。敷地面積は9288平方b。
提供:建通新聞社