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建設新聞社
2024/09/20

【東北・秋田】トンネルや橋梁含む改良案示す/盛岡秋田道路 仙北市内の約11km

 岩手県と秋田県を結ぶ国道46号盛岡秋田道路のうち、秋田県仙北市内の生保内(おぼない)〜卒田間延長約11`bの事業化に向けて、東北地方整備局は19日に社会資本整備審議会道路分科会東北地方小委員会を開き第2回目の計画段階評価を行った。委員からは、おおむね妥当な計画と評価された。ルート帯案は2案が示され、いずれもトンネルや橋梁の新設が見込まれている。
 対象範囲は仙北市田沢湖生保内地内から南西方向に伸びて同市田沢湖卒田地内まで。JR田沢湖駅付近から刺巻駅を経由し神代駅付近までのエリアで、国道とJR線路が並行するように位置している。
 田沢湖地区と角館地区を結ぶほか、岩手と秋田をつなぐ大動脈でもあるが、現道は幅員7b(車道幅員6・5b)で堆雪幅が足りていない。急カーブと急勾配が続き、冬期は積雪や凍結で事故のリスクも高く、ドライバーに精神的な負担を強いる道路となっている。近くに迂回路も無いため、物流や救急医療の観点からも課題が多い。
 アンケートによると地域からは、冬期も安定走行できる線形改良と幅員確保を望む意見が多く、直線区間が長い道路や、自動車専用道路あるいはバイパス整備を求める声があった。
 ルート帯案は、A案が全線バイパス、B案が現道改良(西側)+一部バイパス(東側)。ともに現道のやや南側に計画しており、延長は約11`b。道路構造は両案とも土工と橋梁、トンネルなどを含む。A案は事業費約560億〜660億円を試算し、設計速度は80`b/時。B案は事業費約470億〜570億円を見込み、設計速度は60`b/時。
 コントロールポイントとしてJR秋田新幹線、変電所、神社仏閣、刺巻湿原を挙げた。委員からは、ミズバショウ群生地である刺巻湿原の近くを通るルート案について環境への影響を問う意見があり、事務局側は「刺巻湿原を回避して現道北側に道路を新設すると、構造物が増えて建設費・維持管理費ともに増加する。今後の具体的な調査で、環境への影響を考慮して位置を修正していきたい」と述べた。
 過年度の概略検討と本年度の予備設計はセントラルコンサルタントが担当している。
 盛岡秋田道路は、盛岡市と秋田県大仙市を結ぶ延長約80`bの地域高規格道路。改良済みの区間は、岩手県雫石町の延長約700b(橋場改良)と、仙北市の延長約6・1`b(角館バイパス)のみ。生保内〜卒田のほか、仙岩トンネルがある県境付近などは交通の難所で早期改良が望まれている。またJR秋田新幹線の県境部の改良をめぐっては、新仙岩トンネルの建設が計画されている。

 提供:建設新聞社