国土交通省近畿地方整備局と阪神高速道路会社、兵庫県、神戸市は9月18日、大阪湾岸道路西伸部事業連絡調整会議を設立し、第1回会議を神戸市内で行った。近畿地整と阪高は、事業化時点での内容に対しての課題などを説明。兵庫県や神戸市は、「早期全線開通」や「事業スケジュールの早期情報提供」などを求めた。
会議の冒頭、近畿地整の田中倫英道路部長は「事業の進捗や個別の課題などの対応を中心に会議を進めていく。1日も早い開通に向け、兵庫県、神戸市の協力をいただきながら事業を進めていきたい」とあいさつした。
近畿地整と阪高は、事業化時点での内容に対しての課題として▽六甲アイランドの陸上橋について、地質調査を踏まえて橋梁構造を見直し、工事を進めている▽神港・灘浜の海上部長大橋について、断層影響を回避した橋梁形式の変更を行い、それに伴う基礎の見直しを実施しており、施工に向けた検討を行っている▽神港・灘浜の海上部長大橋の上下部工について、橋梁形式の変更に伴う耐風・耐震対策の見直しを実施し、秋ごろをめどに詳細設計(主塔、主桁など)を行う予定▽ポートアイランド以西については、今後、海上部の長大橋について基本構造を検討するとともに、地質調査や現地調査を行い、調査を踏まえた橋梁構造の検討、構造物の耐震対策・耐風対策の検討が必要―と説明し、課題を共有した。
兵庫県は、今後の事業費、事業スケジュールの早期情報提供や有料道路事業を最大限活用することを基本とした必要な財源確保を要望。また、神戸市は、早期全線開通とそのためのスケジュールの提示、早期全線開通に向け有料道路事業の拡充や暫定4車線化を含めたあらゆるコスト削減策の検討、交付税措置の拡充による地方負担軽減に加え、「同事業による経済効果の波及を地元企業に」と配慮を求めた。
同会議は、関係機関が事業の進捗や事業費の精査など情報共有を図るため設立。必要に応じ随時開催する。
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提供:建通新聞社