鳥取砂丘西側に建設を計画している高級リゾートホテルを巡って、深沢義彦鳥取市長は「ホテル事業者のdhp都市開発から年内の事業着手を目途に、施工体制がおおむね固まったと説明を受けた」ことを明らかにした。
17日、9月定例市議会で上杉栄一議員(会派新生)の一般質問に答えた。
昨年10月の事業関係者と鳥取市による共同記者会見以降、事業着手の動きが見えないこと、また、事業者と交わした基本協定内の開業指定期日(25年1月1日)が迫る中、計画通りの開業は困難といったことを踏まえ、上杉議員は事業の進捗状況を尋ねた。
深沢市長は8月26日に事業者と面会したことを明かし、「施工体制がおおむね固まり、契約前の最終段階にあると報告を受けた」と説明。「今年末までに建設予定地を仮囲いし、来春までに用地を伐採。その後、施工業者とスケジュール調整し、来春以降に造成工事、建築工事に着手すると聞いている」と答弁した。
これに対し上杉議員は「事業の動きを随時市民に情報公開してもらいたい」と要望した。
また、事業者から公表されている開業時期(26年度中)について上杉議員は、指定期日と開業時期の整合性を問いただし、深沢市長は「本来なら指定期日変更後に開業時期を発表すべきだった」としたうえで、「指定期日が近づいているため、取り扱いを判断する時期が来ている」と説明。
上杉議員は「指定期日の再変更はせざるを得ないと思うが、変更理由が具体的でないと納得できない。市長自らマリオットに早期の開業を申し出るべきだ」と厳しく追及した。
高級リゾートホテルは旧青年の家(鳥取市浜坂)の跡地に建設する計画で、事業者のdhp都市開発(大阪市)が昨年、アメリカのホテルチェーン「マリオット・インターナショナル」の最高級ブランド「ラグジュアリーコレクション」と契約。
施設の総敷地面積は1万8264平方メートル。ホテルの客室数は100〜110室を予定。レストラン、ロビーラウンジやバー、大浴場を整備する。事業費は150億円を見込んでいる。
日刊建設工業新聞