2025年大阪・関西万博に「住友館」を出展する住友グループは9月17日、パビリオン建設工事の進捗状況を公開した。建物の完成は12月下旬を予定。開幕までに内装と展示工事を行うとしている。外観デザインは同グループの発展の礎である四国「別子の嶺」から着想を得て、山々が連続するシルエットを表現している。
パビリオンの規模は展示を行うメイン棟が鉄骨造2階建て延べ2268平方b、事務所のBOH棟が木造2階建て延べ449平方b。基本設計を電通ライブ・日建設計、実施設計を電通ライブ・三井住友建設、施工を三井住友建設・住友林業特別共同企業体が担当している。
メイン棟の屋根と外壁には、愛媛県新居浜市に同グループが保有する「住友の森」から切り出したヒノキを使用した合板を活用。加工時に残った芯の部分もベンチなどに加工した上で、パビリオン内に設置する。
またエントランス周りには、前回の1970年大阪万博時に植樹されたスギ材を使用し、樹木の年輪や大地の地層といった「時の積層」をイメージしたデザインとしている。
パビリオンでは、展示体験として「UNKNOWN FOREST〜誰も知らない、いのちの物語〜」を展開する。来館者はランタンを手に、光や音を用いた体験を通じ、さまざまないのちの物語と出会う機会を提供。体験の最後には幅20b×高さ7・5bの「パフォーミングシアター」で映像コンテンツを上映する。
また、子どもたちを中心とした植林体験も実施するとしており、約1万本を植林する予定だ。
住友EXPO2025推進委員会の中村邦晴委員長は「パビリオンでの体験を通じて、来館者に社会や環境問題への関心を深めてもらう展示の準備を進めている。ご期待いただきたい」と述べた。
※写真は建通新聞電子版に掲載中
提供:建通新聞社