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北海道建設新聞社
2024/09/18

【北海道】低炭素型コンクリブロック活用を25年度以降も拡大検討/開発局

 北海道開発局は、低炭素型コンクリートブロック活用試行工事の件数拡大に向けた検討を継続している。2024年度予算の発注分では、6件の工事で試行し、過去試行分と合わせて課題を整理。低炭素型コンクリートブロックが使いやすい地域でのさらなる普及促進と、それが難しい地域では少しでも試行件数を増やす対策を練っていく方針だ。
 開発局では、22年度から同試行工事を開始。ゼロカーボン北海道実現のため、低炭素型コンクリートの活用による二酸化炭素(CO₂)排出量の抑制を図っている。
 低炭素型コンクリートは、超高温下でセメント製造に使うポルトランドセメントの一部分を、高炉スラグ微粉末などの混和材で置き換えたもの。高炉スラグ微粉末の置換率を高めてポルトランドセメントの使用比率を抑制することで、セメント製造時に発生するCO₂を削減できる。
 22年度発注工事で初試行。道内でも初の取り組みとなった。同年度は稼働中の工事から選定したが、以降は対象工事の特記仕様書に記載する形で発注している。試行件数は22年度が2件、23年度5件、24年度が6件(24年9月時点)という状況だ。
 同試行工事の普及に向けた主な課題には、ポルトランドセメントを置き換える材料の調達と運搬費、セメント製造設備の兼ね合いが挙げられる。
 道内での高炉スラグ微粉末の入手先は製鉄所のある室蘭市内。ここから距離のある道央圏より先の地域では、材料の運搬コストが顕著になる。混和材によるセメント量の減少はあるが、運搬費やセメント養生の条件が異なるなど複数の要因から、供給地域によってコストに差があるのが現状だ。
 開発局は、高炉スラグ微粉末に変わる混合材、地域特性を踏まえた供給体制のフォローなどを検討。25年度以降も同試行工事の件数を増やし、脱炭素につなげる。