2025年日本国際博覧会協会は、大阪・関西万博の開幕まで残り212日となる9月13日、8月21日に木造建築部分が完成し、1周約2`が一つにつながった「大屋根リング」の記念式典を万博会場となる夢洲の大屋根リングの上で開いた。博覧会協会の十倉雅和会長をはじめ、副会長の松本正義関西経済連合会会長、吉村洋文大阪府知事、横山英幸大阪市長、石毛博行事務総長らが出席。大屋根リングのデザインを担当した建築家の藤本壮介会場デザインプロデューサーも参加した。
主催者を代表して、十倉会長は「大屋根リングは『多様でありながら、ひとつ』という万博のコンセプトを象徴する世界最大級の木造建築物。大阪・関西万博のシンボルの一つになると確信している」とあいさつ。来場者に対し、「大屋根リングの『建物としての美しさ』、『のぼったときの景観の美しさ』、『一望できる各国のパビリオン』の三つを楽しんでほしい」と期待を込めた。
藤本プロデューサーは、大屋根リングのデザインについて「参加国の素晴らしい多様性をどのようにつなぎ合わせ、共に未来を作っていくのかを深く考え、構想を練った」とし、「1周つながることは大屋根リングにとって象徴的な出来事。多様な国や人が一つにつながり、思いを一つにして未来をつくる最初の一歩になる」と話した。
式典には来賓として、施設整備を担当した竹中工務店・南海辰村建設・竹中土木共同企業体(PW西工区)、大林組・大鉄工業・TSUCHIYA共同企業体(PW北東工区)、清水・東急・村本・青木あすなろ共同企業体(PW南東工区)、鹿島建設・飛島建設共同企業体(GW工区)の代表も参加した。
式典ではこの他、立命館大学書道部による書道パフォーマンスも行われた。
高さ20b、内径約615bの大屋根リングは、当初の予定から約1カ月ほど前倒しとなる8月21日に木造部分が完成。今後はエレベーターやエスカレーターの設置、屋上緑化などの植栽工事を行い、25年2月に竣工する予定だ。
大屋根リングの内側では、海外パビリオンの建設が進んでいる。参加国自ら建設する「タイプA」パビリオンは9月5日時点で47カ国中43カ国で施工者が決定。40カ国が着工している。
※写真は建通新聞電子版に掲載中
提供:建通新聞社