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建設経済新聞社
2024/09/13

【京都】舞鶴市 有路補助取水場を由良川上流に移転 新取水施設、導水管路など設計着手

 舞鶴市は、上水道の取水量の約8割を担う由良川からの取水について、将来にわたり安定的な確保を目指し、有路補助取水場を由良川上流に移転する。
 舞鶴市上水道は、由良川において、二箇取水場(福知山市大江町二箇小字狭迫258/1日最大取水量6万6000m3)を昭和40年代から使用している。老朽化のため、平成26年度までに管理棟と受変電設備や取水ポンプ2基の更新工事を実施した。
 また塩水遡上対策のため、二箇取水場の2・4q上流に有路補助取水場(福知山市大江町二箇小字下嶋2215−3/1日最大取水量6万6000m3)を整備し、二箇取水場で取水できない場合に備え送水できるようにしている。二箇取水場から370m下流に防潮幕を張って、塩水の逆流を防ぐ対策も講じている。なお令和3年度の取水実績は日平均2万2938m3(日最大3万1604m3)。
 そうした中、気候変動による海面上昇が塩水遡上に与える影響について国から研究結果が示され、現在の取水場所での安定的な取水確保が困難となるおそれがあることが判明したことから、将来にわたり安定的な取水確保を図るため、上流移転の検討など移転基本計画をとりまとめ。取水施設移転基本計画策定業務は令和4年6月入札で日本水工設計京都北事務所(京丹後市)に委託し進めた。
 移転基本計画では、導水方法について当面案と将来案をとりまとめ。
 当面案は、取水施設として二箇取水場を継続。塩水遡上により二箇取水場からの取水に支障が生じた際には新取水場の取水に一時的に切り替える。導水経路は(平常時)二箇取水場→上福井浄水場、(塩水遡上時)新取水場→二箇取水場→上福井浄水場(二箇取水場は中継地点)。
 将来案は、取水施設として新取水場の運用に完全に切り替える。導水経路は平常時・塩水遡上時問わず、新取水場→上福井浄水場。
 新設取水口は由良川上流の福知山市大江町に計画。計画取水量(令和15年度)は4万1000m3/日と見込んでおり、それに合わせ水利権水量を変更する予定。
 また導水管の新設を計画。新設取水口築造予定地〜有路補助取水場の約4000m(口径は700o)を想定する。
 令和6年度当初予算の水道事業会計に由良川取水における塩水遡上対策として3520万円を確保。取水施設の移転基本設計(ア・取水施設基本設計、イ・取水ポンプ場基本設計、ウ・導水管路基本設計)を進める。
 新設取水場の築造に必要な基本設計では、@新取水口(取水路の造成含む)A取水管(新取水口〜新取水場)口径選定含む。L約100mB新取水場(ポンプ井、ポンプ棟、電気室)のほか、取水方法の検討、整備内容の検討、概算事業費及び工事工程の算出などを行う。
 このほか導水管路の基本設計、有路補助取水場の撤去の基本方針策定などを行う。
 由良川取水施設移転基本設計業務は9月30日に開札し担当業者を決める。設計工期は令和7年3月28日。